内容説明
水族館で楽しく魚を眺めて同時に食欲を感じるのは、魚食文化からくるものか?水族館で魚を殖やすのは、どのくらい可能になっているのか?水族館を支える裏方の仕事とは?水族館ではどのような体験ができるのか?さまざまな話題にふれながら、わたしたちの知らない水族館の内側を紹介。日本人と水族館とのつきあいをふりかえりつつ、水族館のこれからをみつめる。
目次
1 斜めに読む水族館の歴史
2 日本人の自然観と水族館
3 水族館と日本の社会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inarix
14
昔古本屋で購入。この本で『観魚室(うをのぞき)』という言葉を知った。明治期、日本最初の水族館を上野動物園内に作る際、『アクアリウム』をどう和訳するか迷った担当者による造語だった。当時『水族館』という日本語はなかった。水族館について書かれた本はたくさんあるが、『観魚室』に触れた書籍は本書以外見当たらない。動植物の博物展示文化のなかった日本が西欧に倣い、動植物園や水族館を、失敗を重ねつつ進化させてきた歴史を顧み、更に先を見つめている。20年程前に出版された本なので、今が「その先」の時。鈴木先生はどう見るだろう2017/07/17
あなた
2
山の上に水族館を建てる話が出てくる。ヘルツォークの映画『フィツカラルド』の、ちょっとこのでかい客船で山を越えてみようよ、というむちゃくちゃなジャイアン的発想が、意外にすてきで心に残ったりするようなこと。こんぽんてきなことだが、水族館って魚いぜんに、水を飼う場所、なんですよね。たっぷりとした水をみる場所だし、すごくたっぷりとした水のまえで、あなたとどんな話をしたらいいのか、はじめてといってもいいくらいなやむ場所。水と、私と、たまにあなたと、意外なひかりと、でも、とても、やはり、魚。2021/12/02
りん
0
終始ヨーロッパの水族館は素晴らしい、日本の水族館はダメだという方向性で話は進む。日本の水族館の現状に対する高邁な考えはわからないわけでもないが…大衆娯楽としての水族館を否定し、学者の名前を挙げては賛美する文章がずっと続くのには正直うんざりさせられた。同じ内容を何度も書き連ねる文章も退屈で、個人的な自慢話のような内容も目に付く。時々挿入されているイラストはただの雰囲気付けのようなもので、これなら文中に登場する生物の写真を掲載して欲しかった。第一章の日本の水族館の歴史に関する部分はそれなりに面白い。2012/05/29
やこ
0
はじめに水族館の成り立ち、日本の水族館の歴史、筆者が感じたヨーロッパの水族館の入館者の「科学する」ような観覧態度、3つの館での勤務経験で日本の水族館について考えたこと、、、筆者の生きた時代は、日本各地で堺水族館や金沢水族館のように消えていくものもありながら、水族館が大型化・エンタメ化し次々と誕生し、そして飼育員と設備担当の職員・業者が分かれたり、飼育員の仕事も多様化し、経営陣からは利益や効率の追求が求められるようになるなど、時代の変化と技術の発展のために様々なことが大きく変わっていった。2024/04/03
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