内容説明
本書はこれまで紹介されることの少なかったインドの石窟空間に魅せられた建築家による衝撃と感動の探訪記録である。統一された縮尺に基づく貴重な図面と豊富な写真とともに深遠な石窟寺院の世界に分け入っていく―。
目次
序 建築は地球の一部である
1章 デカンの大地に立つ
2章 石窟という方法―空間形態の誕生
3章 木から石へ―形態の輸送
4章 類似と接触―仏教チャイティア窟
5章 石と化した行為の形―仏教ヴィハーラ窟1
6章 正方形の奥―仏教ヴィハーラ窟2
7章 外部をとらえる―仏教窟からヒンドゥー教窟へ
8章 流出するエネルギー―ヒンドゥー教窟1
9章 フォルムの自立へ―ヒンドゥー教窟2
結 絶頂と死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
342
デカン高原西北部の荒涼たる地に偏在する石窟寺院群から、アジャンターとエローラをとり上げる。著者あとがきによれば、建築学の観点から語られたものはこれまでになかったそうだ。たしかに、これらは建築物であるには違いないのだが、その工法においては根本的に違っている。なにしろ、空間に造築していくのとは違って、岩山を掘り進んでいくことによって建築物をそこに出現させるのであるから。著者はこれを「壮大な彫刻」というが、たしかにそのようでもある。そして、そこに現出する内部空間は、独特の神秘性をも帯びるようである。2022/09/16
キコ
0
インド旅行前の情報収集によい。2010/04/18