内容説明
大地の身体として息をしている韓国の住宅を訪れ、生活と物体の存在性が自然と合一しながら透明な空間に化する建築を発見する旅。本書は、古い伝統と、それに培われた建築的造形と空間が、どのように建てられるかという意識を超え、荒い土地の上に生み出してきた生活感覚をイメージとして描き出す。
目次
まえがき―韓国の住宅を見る二つの軸
1 自然・儒教・土地―土地と倫理の住居
2 集落と住宅の構成―両班の住居感覚
3 「マダン」の思考―外部の部屋
4 マルと内部空間―内部化された自然
5 表層と展開―透明な空間への広がり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
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著者はソウル大学校建築学科を卒業後、東京大学大学院で博士号(工学博士)を取得。本書では韓国の伝統的な住宅建築を紹介するが、主には朝鮮朝時代の士大夫の上級住宅を取り上げている。ほとんどは17世紀以降のものだが、けっこう各地に残されている。よく知られているように、住宅は韓国では土地と神と人とが一体となる風水思想に基づいて建てられる。また基本的には土と木でできた木造建築であるが、土の部分が多いのが日本家屋との大きな違いである。印象的には中国の住居により近いかと思う。私には(見る目がないので)地方ごとの特色は⇒2023/03/18