内容説明
日本はこの先「超」高齢化社会に突入、医療費は高騰し続ける。30年先、病院で死ねる時代は終わり、50万人の「死に場所がない」多死時代を迎える。その危機を乗り越えるために知っておきたい「終焉の現場」。
目次
第1章 看取りの現場―看護師はどう寄り添うか
第2章 最期をどこで迎えるか
第3章 独り暮らしの看取り
第4章 医療保険や介護保険はあてになるか
第5章 在宅で安らかに看取るには
第6章 命の選択―胃ろうの造設について考える
第7章 「カネ」だけでは老後は安心できない
終章 今後の社会保障制度の課題
著者等紹介
結城康博[ユウキヤスヒロ]
1969年生。淑徳大学社会福祉学部卒業。法政大学大学院修士課程修了(経済学修士)、同大学大学院博士課程修了(政治学博士)。社会福祉士・ケアマネジャー・介護福祉士。現在、淑徳大学准教授。専攻は社会保障論、社会福祉学。厚労省社会保障審議会介護保険部会臨時委員など、政府委員及び検討会委員を歴任
平野智子[ヒラノサトコ]
1975年生。国立療養所東京病院附属看護学校卒業。看護学校卒業後大学病院で5年勤務。訪問看護認定看護師資格取得。ケアマネジャー資格取得。現在、訪問看護ステーションで訪問看護師及びケアマネジャーとして従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あい
10
在宅で最期を過ごすのか.病院や施設で過ごすのか...とても難しい選択ですよね。ご本人の状態によるのかもしれないけど.全てご本人の望みを叶えてあげることは不可能だろう。ご家族とご本人が少なくとも納得できるような最期を過ごさせてあげることができれば後悔は残らないんだろうけど.なかなか難しい問題ですよね。胃ろう増設や生活保護.簡単ではない問題が山積みなんだなって改めて実感しました.2013/06/07
ラーメン小池
6
【図書館本】誰もがいずれ迎える他者の介護・看取り、そして自らの最後。生前に自分なりの希望、例えば自宅で最後を迎えたい、あるいは病院で治療し回復を目指すという逆のケースでも、身体の痛みや家族の介護負担、経済状況等で、多々変更を余儀なくされる現実を知る。高齢単身者が、“他人に迷惑をかけたくない”、“人の世話にはなりたくない”、と言い張る毅然さに、ある種の清々しさや意志の強さを垣間見る反面、「もっと他人を頼っていいんだよ」と感じてしまう・・。読後、下手な小説よりよほど家族や親族、周りの人々に優しくなれる一冊。2016/08/28
まつけん
2
淑徳大学の結城先生と訪問看護師の平野氏の共著。「死ぬことは、生きること」避けては通れない「最期」についての話。色々と考えさせられますし、介護サービス提供者にとっての金言もたくさん記されています。2014/02/15
おそばやさん
1
看取りの現場に長く携わっている訪問看護師の具体的なケースが、とても心に残る。誰にでも訪れる死について、とてもリアルに語っている。一度は読んでおいて損はない。2015/02/20