眼の海

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  • サイズ A5判/ページ数 184p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784620320731
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0095

内容説明

海・死・宇宙をつなぐ、目くるめく原光景の巡覧。伝えられた風景はすべて偽造。これが地獄めぐりの美しき真景である。稀代の詩的確信犯による言葉の繚乱と官能的狼籍…驚倒の書き下ろし詩篇「フィズィマリウラ」を併録。

目次

1 眼の海(水のなかから水のなかへ;ささげる花;眼のおくの海―きたるべきことば;どれかひとつだけ教えてほしい ほか)
2 フィズィマリウラ(花間;屠場の月;ある日、乳色の半透明膜に世界がうすれて;みぎわを暮れがた音なくすべっていくもの ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くまさん

29
「わたしの死者のひとりびとりの肺に/ことなる それだけの歌をあてがえ/死者の唇ひとつひとつに/他とことなる それだけしかないことばを吸わせよ/類化しない 統べない かれやかのじょだけのことばを/百年かけて/海とその影から掬え」。詩人は時代に垂直に立ち、レトリックの危うさに十分に慎重でありながら、現状にあてがわれる言葉を生み出しつづける。掬うことと救われること。震えることと触発されてあること。不在の死者たち、虐げられ頽れたひとたちの側から考え、言葉を探し求めることはおそらく生涯の課題となる。2020/05/20

sk

7
まずこれだけの熟成した詩編が、震災後それほど間もない時期にかかれたという事実に驚愕する。辺見の内面では恐ろしく高速な葛藤と湧き立つ痛みがあったのだろう。震災について書かれたものの中では群を抜いた完成度と内的強度と訴求力と衝迫力を備えてる。極めて参考になった。2014/04/05

魚53

5
「読んだ」というのは不正確かもしれない。一回目を通しただけ。何度も繰り返して読み、声に出して読み、私の血肉に染み込ませるように繰り返し繰り返し味わい、浸ることでしかこの詩が表現していることに追いつくことはできない。また最初のページに戻って読む。2023/04/10

AiN

2
内容紹介 あの大いなる日にはじまった  海・死・宇宙をつなぐ、目くるめく原光景の巡覧!  驚倒の書き下ろし詩篇「フィズィマリウラ」を併録。  ・・・・・伝えられた風景はすべて偽造。これが地獄めぐりの美しき真景である。  稀代の詩的確信犯による言葉の繚乱と官能的狼藉・・・・・ 内容 海・死・宇宙をつなぐ、目くるめく原光景の巡覧。伝えられた風景はすべて偽造。これが地獄めぐりの美しき真景である。稀代の詩的確信犯による言葉の繚乱と官能的狼籍…驚倒の書き下ろし詩篇「フィズィマリウラ」を併録。 2020/02/06

kiho

2
絞り出すように綴る言葉は、海の奥深く…光の届かない場所からの「うめき」のよう…そこに作者の苦悩と、言わずにはおれないほとばしる思いが重く佇んでいる感じだ。震災後に書かれた詩もあり、海の中をさまようような、行きどころのない気持ちが波立ってくる…「がんばろう」という呼びかけの浅はかさを一瞬思ったのだった。2012/02/16

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