内容説明
原発安全神話を捏造してきたのは誰か。政官財、メディアと御用学者とタレント文化人―原発翼賛体制のすべてを暴き、フクシマの惨事を招いた者たちを怒りをこめて告発する。
目次
第1章 原発文化人と原発戦犯(原発文化人二五人への論告求刑;一〇人の原発戦犯他 ほか)
第2章 反原発の群像(高木仁三郎―反原発のシンボル;高木仁三郎を語る ほか)
第3章 東京電力の歴史と傲慢(何の責任も感じない殿様体質;東電という暗黒企業 ほか)
第4章 メディアと原発の危険な関係(メディアと原発の危険な関係;原発御用学者 ほか)
著者等紹介
佐高信[サタカマコト]
1945年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。高校教師、経済雑誌編集長を経て、現在、評論家として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おおにし
3
3.11以前はTVのコメンテーターとして、原子力で明るい未来を!などと脳天気な発言していた文化人たちは今や戦犯扱いである。いやはや時代はすっかり変わってしまったものだ。でもこの本で原発文化人とレッテルを貼られてしまった文化人たちすべてが電力会社の回し者であったわけではないだろう。原子力に対して自分が無知だったことを反省した文化人はもっと勉強して今後は自分の考えでエネルギー問題を語って欲しい。我々も二度と騙されないよう、それ以上に勉強するからね。2012/03/29
更紗蝦
2
原発事故後、2ヶ月ちょっとで、原発を推進した文化人をここまで列挙した作者のエネルギーの出所は、怒り以外の何ものでもありません。探せばまだまだ原発の推進に加担した文化人はいますし、第2章『反原発の群像』で挙げられていない反原発文化人もいます。続編を期待します。2013/05/27
壱萬弐仟縁
2
日本社会が原発依存社会になったのは、中曽根康弘元首相による責任が大きい、ということがよくわかる。1980年代の日本が、今の日本社会の矛盾を深めていることの遠因なのだ。原発だけに限らないが、金儲けさえすれば、人を欺いたり、健康を脅かしたり、人間の安全保障を侵害していいのだろうか、と改めて問われてよいと思える。2012/05/01
風見じじい
1
3.11から3か月後に出た本で、原発推進の広告に利用されたノー天気な文化人や、確信犯的な学者、マスコミをさらっと批判しています。アントニオ猪木は原発反対派の議員の応援をやめ、1億円を提示された賛成派の議員の応援に乗り換えたという。電力会社の金の使い方にはあきれるし、金さえ貰えれば何でもいいという方もひどい。2019/04/08
Akio Kudo
1
★★★★ 確信犯的に原発を擁護した文化人と、何も原発の事を知らないで金目当てに擁護した人間では責任は違うのではと思うが、やはり文化人は自分の些細な言動にも責任を持つべきという著者の主張も解る。何よりも政治家や官僚、企業への怒りが凄まじい。読む価値はある。2017/11/22