内容説明
荷風、大岡昇平、山田風太郎、大佛次郎、丹羽文雄、高見順、島木健作、徳富蘇峰、伊藤整、吉田満…彼らが書かずにいられなかったものとは?昭和史の視点から読み解く作家の日記と作品。
目次
山田風太郎の『戦中派不戦日記』を読む
「戦争に負けると、ああなる」―山田風太郎と中国兵捕虜
八月十日の終戦―山田風太郎の心のなかの戦い
「十五日(水)炎天 ○帝国ツイニ敵ニ屈ス。」
山田風太郎が終生感じた日本人へのもどかしさ
永井荷風の『断腸亭日乗』を読む
荷風が覚悟を決めた昭和十六年六月十五日
「アメリカと戦争するなんて莫迦ですよ」
戦時下、荷風が上野駅地下で見かけた男女
八月十五日、疎開先で知る「日米戦争突然停止」〔ほか〕
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
ノンフィクション作家・評論家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。1939年札幌市生まれ。同志社大卒。昭和史の実証的研究のため、延べ四千人に聞き書き取材を行い、独力で『昭和史講座』の刊行を続ける。2004年に第五十二回菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kokada_jnet
2
個々の作家の日記に対する分析は面白いが。結末の総論が、この著者にしては凡庸。「サンデー毎日」連載を、そのまま、本にした感じで。本としての完成度が低い。2013/08/10
tecchan
1
山田風太郎、永井荷風、大佛次郎、大岡昇平などの作家が残した日記や作品から、昭和の時代、戦争、戦時下の生活などを探る。2017/06/26
風見じじい
0
戦争中の軍部の統制に一線を隔した永井荷風、多くの戦死した人への鎮魂を書いた大岡正平や吉田満に対し軍に作家のブラックリストを提出した人、不本意ながらも従った人がいたと言う。本書では、従わなかった人について取り上げているが、逆に軍に協力した人のことが知りたくなった。2014/12/17