組織の思考が止まるとき―「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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組織の思考が止まるとき―「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620320373
  • NDC分類 335.15
  • Cコード C0036

出版社内容情報

前代未聞の検察不祥事を入口に、20を超えるあらゆる企業・官公庁のクライシス(危機)の現場を徹底的に検証することで浮かび上がる、日本社会混乱の本質。すべての組織が活力をとり戻すための「ルールの創造」という方法論とは。

内容説明

前代未聞の検察不祥事を入り口に、20を越える企業・官公庁のクライシス(危機)の現場を徹底的に検証することを通して浮かび上がる、日本混乱の本質。我々日本人に根づく「法令遵守」の姿勢を乗り越え、すべての組織が活力をとり戻すための「ルールの創造」とは。国の未来を切りひらく―コンプライアンス問題の第一人者として、日本における「法令と社会の実態の乖離」を指摘し続けてきた著者が示す、日本再生への道筋。

目次

第1章 郵便不正事件をめぐる不祥事と検察の対応
第2章 検察はなぜ社会の信頼を失ったのか
第3章 コンプライアンスを考え直す
第4章 クライシスマネジメントを考える
第5章 検察問題をコンプライアンスで考え直す
終章 ルールの創造へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kiki

6
コンプライアンスの本来の意味は「他からの求めに応諾し、従うこと」。つまり、組織が社会からの要請に応えること。法令遵守は本来誤り。法規制社会の米国では成立する言葉である。過去の日本のコンプラ違反の事例は行き過ぎたものが多い。米国のトヨタプリウスのリコール問題では一部の運転特性に合わず、これに違和感を持つ人が出たことが発端である。これを煽ったのが当時の前原国交相で、問題を決めるのは使う側と発言されたため、技術面での問題と危険性はないがリコールせざるを得なくなった。このコストは結果として利用者にも影響する。2017/04/15

Hepatica nobilis

3
検察問題から大企業の様々な不祥事までを取り上げ、それが社会的な大事に至った原因を分析している。コンプライアンスは単なる法令遵守でなく、社会の要請に応えることだという主張は一貫しているし、議論も具体的になり深化している(第5章の議論はやっつけな気がしていだけないが)。エピローグにあるように1か月で書かれたとはいえ、著者の現時点での総決算とは言えるだろう。2011/06/05

林田力

2
日本の組織のクライシス(危機)の現場を検証した書籍である。扱う事例は検察の証拠改竄事件やトヨタのプリウスリコール問題、原子力発電所の点検漏れなど幅広い。単に法令の遵守に終始することなく、社会からの要請に応えることこそがコンプライアンスの本旨と主張する。これは重要な指摘である。法の網の目をくぐる悪徳業者はコンプライアンスに反する企業である。たとえばマンション販売業者が不利益な事実を隠して新築マンションを販売したとする。悪徳不動産業者ならば「嘘はついていない」と開き直るだろう2019/08/11

KAZOO

2
コンプライアンスについてかなり役に立つと感じました。最近の事件の事例について著者の独自の観点から分析してくれてわかりやすく説明しています。法令順守だけでは欠陥が生じるのでルールの創造が必要ということを説いています。2013/03/02

パパ

1
コンプライアンスの本来の意味は「他からの求めに応諾すること」、組織にとっては組織が社会からの要請に応えることである。法令遵守という言葉、法令を守ることの自己目的化が様々な弊害をもたらしており、どうしても規則・基準・マニュアルを守ろうとする方向に注意が向き、本来の社会的要請に応えることから注意が逸れてしまう。暗黙のルールとして社員の中で共有されている社会的要請を総合的に考慮した方針を明文化(=ルールを作る)し、個別具体的な業務遂行に活用し、業務をめぐる環境の変化に応じて積極的にルールを見直す必要がある。2012/06/06

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