内容説明
あの殺人犯も、時効を迎えてしまうのか。殺人時効、過去5年で241件。迫る時効に苦しむ、被害者家族の痛切な声を丹念に取材。新聞連載時から大反響を呼んだ、渾身のルポルタージュ。
目次
1 「未解決」事件を歩く(世田谷一家殺害事件;八王子スーパー強盗殺人事件 ほか)
2 時効成立という現実(母無念「娘に報告できない」(兵庫尼崎市19歳女性焼殺事件)
犯人のたばこ吸い続けた捜査員(青森八戸市女子中学生刺殺事件) ほか)
3 時効に挑む捜査当局(検事の苦悩;DNA起訴と法の壁 ほか)
4 時効制度の是非を考える―識者に聞く(「逃げ得」正義に反する―早川忠孝氏;被告を守るため必要―神洋明氏 ほか)
5 「殺人」と「時効」―各国制度から(日本;アメリカ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
1
未解決殺人事件や時効事案の遺族の気持ち等が書かれており、殺人事件に関しては時効は要らないのではないかと思いました。2019/11/27
ゆんぽん
1
一番読んでて息が詰まったのはJRでの事件。遺族が「社会の無関心にも殺された」と言ってるあたりが腹に重く響く。暴行を受けた被害者を大勢の人が囲んだが、救急車が着くまで傍にいたのは高齢の女性のみ。名乗りをあげた目撃者は9名。もし自分が喧嘩してたり怪我人がでた場面に居合わせた時、人の命を優先した行動がとれるか…と考えた。現時点での答えは「助けたい気持ちはあるがオロオロする」。この気持ちを変えたいと強く思う。 この本では‘殺人時効’が取り上げられてるので、殺人未遂や暴行等はどうするかも課題では…2010/08/26
Ms.H
1
「時効を容疑者の人権として保護する」という理論には首をかしげてしまいます。その裏側で被害者やその家族の人権が踏みにじらるわけだし…2010/01/15
天才ラングレー
0
逃げたもん勝ちになる時効は必要ないと思う。少なくとも殺人事件などの凶悪な事件には。文章があまり堅くなくて読みやすかった。2011/12/26