出版社内容情報
人生が存在しているのは<死>という謎があるからだ。謎を味わい問い続けてゆく、果てしない精神の物語。
内容説明
どこまで考えても死なんてものはない、言葉だと知るだけだ。人生の味わいと存在の謎について未発表原稿とともに紡がれる、終わりのない精神の物語。
目次
1 精神を捉えてやまない謎(「聖なるもの」の行方;「現実」という夢 ほか)
2 ひとりだけで考える(孤独の妙味;新・唯心論 ほか)
3 役に立たないからこそ(「コンビニエントな人生」を哲学する;科学技術と私たち ほか)
4 人生は言葉とともに(しごとのデッサン;人生の謎 ほか)
5 存在の謎は、果てしなく(死とは何か―現象と論理のはざまで)
著者等紹介
池田晶子[イケダアキコ]
1960年(昭和35年)8月21日、東京の一隅に生を得る。1983年(昭和58年)3月、慶應義塾大学文学部哲学科倫理学専攻を卒業。文筆家と自称。「哲学エッセイ」を確立して、多くの読者を得る。2007年(平成19年)2月23日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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抹茶モナカ
24
「死」については、個人的に物心ついた頃から、ぼんやり考えて来ていたので、タイトルに魅かれて手に取った。「生」や「死」について答えをくれる哲学書は存在しないらしいので、この本も「わからないけど、考える姿勢が大事」という結論の哲学エッセイで、池田節が随所で光る感じ。エッセイの形になっていて、親しみやすい形式だけれど、どれだけの勉強と思索を経て、綴られているのか、実は碩学な方だったのだろうか、と、感じたり。2018/02/15
takehiro
13
エッセイ集。池田さんが言葉をとても重要視されていたのがよく伝わってきました。「言葉は道具なんかではない。言葉は、自分そのものだ」2023/03/31
スノーシェルター
11
「14歳からの哲学」の人だ...と思って読んでみた。読めば読むほど、わからなくなる。死って何?どこからが死で意識はどうなってどこにいくのだろう?死んでみないとわからない。「悩む」と「考える」は違うというのは納得。2013/06/28
きょ
7
池田晶子さん大好き。何も考えてなさそうな浅い言葉で自分が見たように経験したように、がやがや喋る人が、私も嫌いだから。頭の中で何となく浮かんでた(気がするだけかもしれないが)ことを、スッキリとさっぱりと言葉にしてもらっているから。死なんて、ない。ということは晶子さんはきっと、読者のそばにいるでしょう。2013/07/05
Asakura Arata
5
いろんな媒体に掲載された文章のオムニバス。内容に重複あり。生死や自分に関して考えを進めていく。決して思考停止にならな著者のタフさに感心する。2022/05/29