弱き者の生き方―日本人再生の希望を掘る

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弱き者の生き方―日本人再生の希望を掘る

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  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620318189
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0036

内容説明

おのれの悪を凝視し、絶望的体験の地底から恐るべき記憶と無類のユーモアを武器に、日本人再生の希望を掘りおこす。迫真のライブ・トーク。

目次

第1章 弱き者、汝の名は人間なり(人は弱し、されど強し;虎屋の羊羹、銀座のネオンで殴られる;ジェノサイド(集団殺戮)そのものの東京大空襲
生き地獄―戦友を蹴落として生き延びる
悪を抱えて生きること
語りえなかった引き揚げの真実)
第2章 善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや(極限状態で交錯する善と悪;二度目の撃沈と敗戦;涙の漫才修行―人生に無駄はない;日本の植民地支配の爪あと;語られない引揚者の悲劇―残留孤児と不法妊娠;右へ左へ揺さぶられ続けるのが人生)
第3章 心の貧しさと、ほんとうの豊かさ(肉親の死を身近に感じる大切さ;お金という魔物;学内闘争でつるし上げられる;わが青春の登呂遺跡発掘;人は泣きながら生まれ、時に優しさに出あう;経済的貧困と貧しさとの違い;金では買えない「誇り」を抱いて)
第4章 人身受け難し、いますでに受く(人生の峠道でたたずむ;人間性と謙虚さ―前田青邨先生の教え;斜陽館での一夜―師匠と弟子の『人生劇場』;赤線とドジョウすくい;想像力の欠如と「心の教育」;人間として生まれた奇跡と幸運;なぜ人を殺してはいけないのか)
第5章 人間は、ひとくきの葦である(「負け組」などいない;辛いことも直視する勇気をもちたい;時には黙ってただ寄り添うことも大事;潔癖すぎる現代社会;だれにでもある不安やコンプレックス;弱き者たちへ―人は皆、それぞれの生を生きる)

著者等紹介

大塚初重[オオツカハツシゲ]
1926年(大正15年)東京都に生まれる。45年に輸送船が二度撃沈され漂流、九死に一生を得る。復員後は働きながら明治大学の夜間部に学び、同大学院文学研究科史学専攻博士課程修了。日本考古学界の第一人者として、登呂遺跡や綿貫観音山古墳をはじめ、多くの発掘を手掛ける。日本考古学協会会長のほか、文化庁文化財保護審議会専門委員、日本学術会議会員、山梨県立考古博物館館長等を歴任。明治大学名誉教授、登呂遺跡再整備検討委員会委員長。2005年瑞宝中綬章叙勲

五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年(昭和7年)福岡県生まれ。生後まもなく朝鮮にわたり、戦後47年引揚げ。66年「さらば、モスクワ愚連隊」で第6回小説現代新人賞、67年「蒼ざめた馬を見よ」で第56回直木賞、76年「青春の門」筑豊編ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞。英文版『TARIKI』が2001年度「BOOK OF THE YEAR」(スピリチュアル部門)に選ばれた。02年に第50回菊池寛賞、04年に第38回仏教伝道文化賞を受賞。現在直木賞、泉鏡花文学賞その他多くの選考委員をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中年親爺

2
再読。二人の重鎮の、戦中戦後の筆舌に尽くし難い苦難の数々は、前回も強烈な衝撃を受けたが、再読の今回も全く同じくらいの緊張感を抱かされた。「殺人」の意識、「罪」の意識を持つほどの試練。そしてそれをずっと引き摺りながら、むしろ生きることの義務感に代えて自らを叱咤する。何とも壮絶としか言いようがない。父は既に亡き者になってしまったが、この年代の人たちはそういう時代を生き抜いたということをもう一度改めて認識すべきなのだろうし、できることなら、そこから多くを学ばなければならないのだろう。2013/07/21

行き当たりバッチシ!

1
この手の本にしては 結構スラスラ読めた。五木さんの引き揚げ時の事は あまり御自身ではしゃべってないので 少し驚きました。2021/05/11

おらひらお

1
2007年初版。考古学者大塚初重さんと作家五木寛之さんの対談をまとめたもの。本棚にあったものをたまたま手に取ったのですが、一気読みでした。というか、他のことが手に付かなかったです。戦中戦後に本性むき出しの人間と接することによって、人としての深みというか優しさを身につけられたことが分かりました。2010/07/30

Masahiko Kobayashi

0
著名なお二方がご自身の凄まじい戦争体験を語られた貴重な作品。最近、戦争関連の小説が大評判を呼んでいるようだが、次は是非この作品をお読みいただきたい。2013/12/25

鼻毛カッター

0
戦時中、戦争直後の二人のエピソードが圧巻。そのぶんだけ、後半の仏教講話や最近の若いもんは…みたいな話はイマイチかな。2010/08/28

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