赤い三日月〈下〉―小説ソブリン債務

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620107738
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

トルコのソブリン債(国債)のデフォルト(債務不履行)回避という「社会的意義の大きな案件」に挑む邦銀バンカー、但馬がシンジケートローン(協調融資)の組成を目指す下巻。

内容説明

デフォルト寸前の国家、サバイバルへ崖っぷちの交渉!米格付会社による「投資不適格」への格下げ、干上がる融資。そのときIMFと米財務省はどう動いたのか?邦銀マンが垣間見たソブリン債務管理の内幕とは!?

著者等紹介

黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンス、貿易金融など数多くの案件を手がける。2000年に『トップ・レフト』で作家デビュー。英国在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

B-Beat

40
◎具体的に描かれる案件実行の一連の流れ。情報収集から稟議書作成。本部の承認を取り、準備する契約書類の文面作成から署名の徴求。しかもその案件の成否は国家破綻の引き金にもなりかねない。言わばそれは国家の命運を左右する一大プロジェクト。しかしながらそこには前門の虎に後門の狼。主人公の勇躍しての獅子奮迅の働きというよりは悲壮感漂う孤軍奮闘する姿にページ捲りが止まらない。黒木さん、多くの提案書や報告書を書く中で小説家としての文章力も身に付けたのだろうな。舞台の壮大さとディテールの堅実な描写は本作でも健在だった。 2015/05/18

ヤギ郎

11
下巻には用語集がない。ソブリン債といえば格付会社。トルコも格付を取得するため動き出す。(格付会社については黒木亮『トリプルA』がある。)デフォルト寸前に追い込まれたトルコで、トルコと商売を長くしていたバンカーが動き出す。(東西銀行と合併した扶桑銀行は三菱銀行のことだろうか…。)「このディールの成否は、トルコという国の命運が大きく変わる。これは、そういう意味のあるディールだ」「少なくとも俺は、こういうディールをやるために、この世界で生きてきたつもりだ」(174-175)意味のある仕事をしたいと思った。2020/05/12

ゴリ

10
面白かった。上巻では経済、金融の専門知識で苦労させられたが、下巻は一気に読ませる展開。アメリカの手のひらで踊らされているだけかもしれないが、良心に恥じない事を大切に仕事を全うする者たちの姿がいかにもかっこいい。こんな直球ど真ん中の社会派小説・・やっぱり良いです!2012/01/13

α0350α

8
トルコをデフォルトから救うためにシ・ローンを組成する辺りの話が面白かったです。太刀川&矢野が良い感じにイヤなヤツで但馬&ゴールドスタインと対立、最後もう少しスカッとする位やり込めてくれると良かったかなと思いました。2012/06/20

LIBRA

6
舞台は、少し前ですが、国際金融市場で、こんな事が行われていたのかと、とても勉強になりました。国の債権を発行するシステムや売り出しまでの過程と銀行が、どんな風に関わって行くのか、興味を惹きます。また、当時のトルコの乱れた政治、経済の状況も分かります。トルコのデフォルトが、主人公の手腕にかかっているシーンは、ドキドキしました。銀行の内部の様々な人間関係も描いていて、清々しい主人公像です。国際経済や金融を学ぶきっかけに良い本だと思いました。 トルコを知っている人にオススメで~す 2012/08/07

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