ひそやかな花園

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  • サイズ B6判/ページ数 313p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620107561
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。 しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。 「あの集まりはいったい何だったのか?」 別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。 大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。

親と子、夫婦、家族でいることの意味を根源から問いかける、角田光代の新たな代表作誕生。


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内容説明

親と子、夫婦、家族でいることの意味を根源から問いかける。『八日目の蝉』から三年。衝撃と感動に震える、角田光代の最高傑作誕生。

著者等紹介

角田光代[カクタミツヨ]
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年路傍の石文学賞、03年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ミカママ

285
『わたしを離さないで』を思わすような(設定が読めない)暗めでミステリアスな冒頭に、一気にもっていかれた。角田さんには珍しく、実際途中までミステリーとしても引っ張られたし。ふむ、これは重い。家族とは?親子とは?血縁とは?などという陳腐な質問が頭ん中をグルグル駆け巡る。登場人物たちの苦悩が、我がことのように思われてしまうのは、さすがに角田さんの筆致だな。ラストは皆がそれぞれなりに、ちゃんと光を見つけたのだ、と思いたい。2015/11/23

風眠

176
夏のキャンプ、何組かの親子が集まり数日を過ごす。そこは子どもたちにとって、特別な場所で、もう一人の自分を出せる場所だった。そこには親たちが隠した、子どもたちの出生の秘密があった。子どもを生むことの責任の重さと、生み落とされた子どもが背負って生きる人生の重さと。『きみがさわるもの、味わうもの、ぜんぶ人と違う。きみがいなければ、きみの見る世界はなかった。』冒頭に書かれているこの一文が、読後心に響く。時がたつにつれ夢か現かわからないような、ふんわりとした物語であるが、命を背負う覚悟を問われているように感じた。2012/11/13

いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】

160
*生きる意義の物語*心の宝物だった、幼い頃の毎年恒例サマーキャンプ。しかし、いつしか彼らは疑問を抱く「あの集まりはいったい何だったのか?」と…。そして余にも突然、その秘密を知ることとなる!自らの人生を根底から揺さぶった、その驚愕の宿命とは、一体!?――子供たちは勿論、その親にもどうしようもなかった事情や背景、苦悩があった…。判断の善悪、正誤ではない、『生きなくちゃならない自分の人生がある』ただそれだけ!子供たちが、宿命を受け止めながらも人生の歩みを進める…。その光ある未来の予感に深い感動を頂ける良書です。2013/08/01

ちはや@灯れ松明の火

126
夏の楽園にいた。友達のようにはしゃいで、きょうだいのように寄りそって。木漏れ日、草の匂い、水の音、笑い声、いつの間にか閉ざされ鍵を掛けられた遠い日。夢が消えた後の空白を埋めようと、求めた先に見たものは、光の裏に潜み続けていた闇、その身体に刻まれていた影。音もなく、足元が揺れる。繋がってなかった絆、壊れてしまった家族。生まれてきたことが、この場所にいることが正しいのかと、立ち竦む。それでも、あの眩しさを憶えているから。自分にしか進めない道、描けない未来へと、それぞれに生きていく。楽園の欠片を分かち合って。 2011/09/29

しろいるか

124
毎夏どこかの別荘に集い、共に楽しい時間を過ごした7組の親子。子供の年齢も住むところも違う彼らだが、子供達はふと疑問を抱く。「私達の関係って何なの?」ある夏を最後に二度と開かれなくなったキャンプ、何かを隠し何かを怖れ嘘をつき続ける大人達。中盤にさしかかってその疑問は明らかになるのだが、気になって読む手が止まらない序盤の構成が見事。語り手を変えながら7人がそれぞれぼやけて混沌とした記憶と、親との関係や自己のアイデンティテーに葛藤する。うんざりするほどめんどくさい性格の紗有美が印象的wこういう人書くの巧いなあ2012/10/08

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