内容説明
15歳で父を亡くしたヴェリティは、全財産を政府に没収され、冷酷な叔父に引き取られた。令嬢として何不自由なく暮らしていた過去がまるで嘘のように、彼女は使用人同然に扱われ、つらい毎日を耐えるしかなかった。唯一の心の支えは、記憶の中の優しい紳士―マックスだ。父の墓前で泣く彼女に、彼は温かい言葉をかけてくれたのだった。あるとき、叔父の屋敷を訪ねてきたブレークハースト伯爵を見て、ヴェリティは愕然とした。マックスが、なぜここにいるの?動揺する彼女に伯爵は平然と言い放った。愛人になる気はあるかと。天涯孤独のヒロインと、愛を遠ざける伯爵。心揺さぶる感動作。
著者等紹介
ロールズ,エリザベス[ロールズ,エリザベス][Rolls,Elizabeth]
イギリスのケント生まれ。父の都合で幼少期を過ごしたオーストラリアのメルボルン、パプア・ニューギニアの生活が執筆に興味を抱くきっかけとなった。ニューサウスウェールズ大学では音楽学を専攻し、音楽教師も経験。現在はメルボルンで暮らす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
23
読み友さんの感想を読んで。母を失い、戦争から戻ってきたものの父親は自殺し…十字路に父親が埋められるシーンから始まる、薄幸の美少女のHQです。自信皆無の彼女が、伯爵の気分に振り回される姿におばちゃん怒りがですね、メラメラと。しかし自殺したらお墓ないとかさ~…。2021/12/20
キッチンタイマー
4
イギリス的超テンプレだけど一気読みしちゃうぜって感じ。意地悪な身内に引き取られた薄幸な少女、捨て身の求愛行動、そして、というか。数日前に読んだバログの「夏の雨のめぐりあい」も同じ構成だったので既視感。しかし、そういうのに弱いの。2012/10/07
nayui
3
★★★▼☆父が自殺し全てを没収され埋葬された時に付き添ってくれた父の部下…この思い出を胸に親戚に引き取られ召使として過酷な環境に耐えて5年後。伯爵となった彼が5年前の少女を尋ねてやってくるが素性に気付ず、保護欲に駆られ愛人の提案をするが…。天涯孤独のヒロイン、冒頭の埋葬シーン~序盤はジーンとくる展開。が、ヒロインの素性を知るや結婚にハメられたと暴言を吐くヒーローが酷すぎる。侮辱する→反省→また拒絶の繰り返し。それでも健気に耐えるのは15歳時の思い出と亡父の遺品と日記が心の拠り所だからか…ヒロインが憐れ。2021/05/08
ぽこ
2
ヒロインは育ちのせいか自虐的で、心情がとても切ないです。普段はおとなしいのに突発的に行動に出るので、少し違和感を感じました。特に従妹の髪を切るシーン、そしてそれを義弟に話して笑いあうシーンは幼稚すぎてついていけず・・・。面白い作品なだけに、惜しいです。2014/09/19