越境者たち〈上〉―カシノそこで、人は夢見る。そこで、人は祈る。

越境者たち〈上〉―カシノそこで、人は夢見る。そこで、人は祈る。

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  • サイズ B6判/ページ数 339p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784594037239
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

打たれろ。打たれ続けて、打たれ越せ!日本を捨てたギャンブラー。ギャング元大幹部のヴェトナム系青年。そしてマオリの血が流れる「白人」。3人の越境者たちが、「合意の略奪闘争」の場たるオーストラリアのカシノで、出会った。

目次

右手で左手に手錠を掛ける
勝てば幸運、負ければ実力
口切り賭人と向こう張り
カブラマッタの愚連隊
全国制覇
隠退、そして「復帰」
セックス・ドラッグス・ロックンロール・アンド・ギャンブリング
ものみな砕け散る

著者等紹介

森巣博[モリスヒロシ]
1948年、日本生まれ。雑誌編集者・記者を経て、’75年のロンドンよりカシノ賭博の「常打ち」賭人を目指す。現在、オーストラリアを拠点とし、世界中の賭場を攻める国際博奕打ち。’94年度全豪牌九(パイガオ)選手権者。「無帰属」の志を縦軸に、ギャンブル体験を横軸にして綴る、簡潔で明晰な文章には定評がある。「非国民栄誉賞」を生涯目標とする「不純文学」の鬼才
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

FK

0
博奕・ギャンブルはもちろんのこと、「民族」ということについても勉強になった。週刊誌連載時には『打たれ越し』との題であったそうな。要するに負け続けているときは、その波が変わるまで少額で負け続けて我慢をするということらしい。いずれやってくるチャンスまで待つ。/ 国民の無根拠な同一性を信じさせ、権力への盲従性を共同体に強要し、そしてそれがまた多くの場合、一片の疑問を差し挟まれずに受容されている日本という社会で発生する、排除、差別、いじめ、の構図が陰湿で残忍な傾向を帯びるのは、当然なのだ。(上巻 P.112) 2006/02/02

長島芳明 

0
これは小説なのかノン・フィクションなのか分からないが(それが著者の狙いだろう)、カジノの裏事情の一端を知ることが出来る。この作品に出てくるベトナム系青年の描写には圧巻された。タイトルの通り、人は夢見て祈る。

聖月

0
◎著者が暮らすオーストラリアでのカシノの控除率(店側、運営者の取り分)は2%前後である。当然、控除率25%の競馬などのレース系、53.9%の宝くじ、控除率店まかせのパチンコなどは太刀打ちできないのである。カシノの控除率2%の低さに驚かれる方もいるかもしれない。勿論、カシノでは店側のイカサマは一切ない。スロットマシンなどの機械系を除いては、基本的にテーブル系で客同士が勝負する際に動くお金の手数料がお店の取り分となる。ゆえに、いかさまなどして客が離れ、当局にライセンスを没収されるような自殺行為などは考えられず2003/02/03

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