ポプラ新書<br> 「お迎え」されて人は逝く―終末期医療と看取りのいま

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ポプラ新書
「お迎え」されて人は逝く―終末期医療と看取りのいま

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  • サイズ 新書判/ページ数 196p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784591146309
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C0295

出版社内容情報

死は、けして敗北ではありません。
人生を、医療任せにしてはいけません。
「亡き母が手を握ってくれた」「夫と愛用車でドライブに行った」――これまで幻覚・せん妄として治療対象であった「お迎え」現象が、死生に向き合う貴重な過程として医療現場で注目されている。死を怖れ、痛みとたたかう患者に何ができるのか、緩和ケア医として2500人を看取った医師が終末期医療のあり方、死との向き合い方を問いかける。

内容説明

死は、けして敗北ではありません。人生を、医療任せにしてはいけません。「亡き母が手を握ってくれた」「夫と愛用車でドライブに行った」―これまで幻覚・せん妄として治療対象であった「お迎え」現象が、死生に向き合う貴重な過程として医療現場で注目されている。死を恐れ、痛みとたたかう患者に何ができるのか、緩和ケア医として2500人を看取った医師が終末期医療のあり方、死との向き合い方を問いかける。

目次

第1章 人は誰でも見守られて逝く(自分の死をどこまでイメージできますか?;「死にたくないんだ」「なんでオレなんだ」 ほか)
第2章 医療の現場と「お迎え」現象(患者本位の医療が叫ばれて;「せん妄」とは何か ほか)
第3章 死ぬことを忘れてしまった日本人(病院依存度の高い日本人;病院で死は「敗北」を意味する ほか)
第4章 看取りの役割(看取りの役割とはなんだろう?;あなたの「死に場所」がなくなる? ほか)
第5章 「望ましい死」とはなんだろう?(「お迎え」体験はあちこちに転がっていた;自然や先祖と私たちはつながっている ほか)

著者等紹介

奥野滋子[オクノシゲコ]
1960年富山県生まれ。金沢医科大学卒業。順天堂大学医学部麻酔科学講座で麻酔・痛み治療に従事。2000年より緩和ケア医に転向。神奈川県立がんセンター、順天堂医院緩和ケアセンターを経て、現在医療法人社団若林会湘南中央病院在宅診療部長として、臨床と教育の両面で緩和ケアに携わっている。東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科(宗教学分野)修士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かっぱ

39
末期がん患者の元に現れる亡くなった家族。「お迎え」現象は非科学的かも知れないけれど、死に逝く本人にとっては、とても安心できることらしい。元気な時に見る幽霊は怖いが、死が間近に迫った時に見る幽霊には恐怖を感じないようだ。安心して死を受け入れることができるのならば、お迎えがあった方がよいと思えた。そして、残された家族はまだ体温があるうちにお別れの言葉をかけることで、しっかりとお別れができたという気持ちを持てる。そして最後に感じた故人のぬくもりが生きていく支えとなる。2015/12/27

Twakiz

28
あちらへ逝くとき親しい人や(ときには愛犬が)お迎えにくるといった現象は科学的には証明されていないけれども看取りの現場ではよく立ち現れるとのこと.病院での死(ときに終末期鎮静がなされたりする)への立ち合いではこれまであまり経験しませんでした.穏やかな在宅死,というのは聞こえはいいけれども現実はそれを簡単には許しませんよ.2017/07/08

梅ちゃん

21
2018.11.09奥野先生は緩和ケアに携わる中で経験上、末期の患者さんに「お迎え」現象というものが起きているのではと考えられている。今年の四月に、奥野先生を招いてお話を聴く計画がなされたのでその時に購入。買った本は図書館本におされてなかなか読めなかった。今月その講演会があるのであわてて読み終わった。死は不安で怖いものだが、近しい誰かがお迎えに来てくれるのなら安心やし、覚悟が決まるんじやないかな。私の場合、今やったら可愛がってくれた祖父に来てもらいたいなぁ。2018/11/09

Tomomi Yazaki

17
医師として、日々患者のお迎えを見ていて、その全てがせん妄とはとても思えない、そんな思いを綴った本です。一部の医師は全てせん妄として目を向けず、患者の死を、敗北としか見ていない。本人にとってはオカルトなどではなく、死の準備であり、家族と持つ大切な時。本書は2015年発行ですが、現在はコロナ禍のため、病院で亡くなる方は家族に看取られることはない。つまり一人で死んでゆくのです。せん妄でもいいからそのままにしてあげたい。お迎えがこないわけ、ないじゃないですか。本書を読み終える前に、くしくも母の訃報が、届きました。2022/07/19

柊子

17
一昨年、88歳で他界した母は、亡くなる半年ほど前から何度も昏睡状態になったが、幸いその都度生還した。覚醒すると必ず「呼ばれたから戻ってきた」と言っていたが、誰が呼び戻してくれたのかな。逝く2日前には意識混濁の最中に天井に向けて両手を差し伸べ、「早く…」と懇願していた。お迎えを望んでいたのだろう。母の目には誰が映っていたのか……たぶん祖母(母の母親)だろうと思っている。同居の義母は口癖のように「お迎えが来ない」と言う。誰か迎えに来てあげてよ~(鬼嫁)2018/12/03

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