いとの森の家

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591142073
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

都会から田舎に引っ越してきた加奈子は、自然の恵みに満ちた暮らしの中で命について考えはじめる。瑞々しい少女の成長の物語。

「あなたには残酷なできごとが起こりませんように。しあわせな人生でありますように」
おハルさんは、私の頬を両手で包んで微笑んだ――。

福岡市内の団地暮らしだった加奈子は、父の突然の思いつきで、山々に囲まれた小さな村に引っ越すことになる。
都会とのギャップにとまどいながらも、すぐに仲良しの友達もでき、自然の豊かな恵みに満ちた田舎の暮らしに魅了されていく。

中でも特別な存在はおハルさんだ。
童話に出てくるような家に住み、いつもおいしいジャムやクッキーを作ってくれるおばあさん、おハルさんは子どもたちの人気者。
だが、大人たちの中には彼女を敬遠する人もいた。それはおハルさんが毎月行っている死刑囚への慰問が原因だった。
なぜおハルさんは、死刑になるような人に会いに行くの……? 

そんな素朴な疑問から、加奈子はおハルさんからさまざまな話を聞くようになり、命の重みや死について、生きていくことについて、考えるようになっていく――。
福岡・糸島の地を舞台に、深い森がはぐくんだ命の記憶を、少女のまなざしで瑞々しく描いたあたたかな物語。

【著者プロフィール】
東 直子(ひがし・なおこ)
1963年、広島県生まれ。歌人、作家。1996年『草かんむりの訪問者』で第7回歌壇賞受賞。2006年『長崎くんの指(のちに『水銀灯が消えるまで』)』で小説家としてデビュー。歌集に『青卵』『東直子集』『十階』、小説に『とりつくしま』『さようなら窓』『薬屋のタバサ』『らいほうさんの場所』『私のミトンさん』『トマト・ケチャップ・ス』『いつか来た町』、エッセイ集に『耳うらの星』『千年ごはん』『鼓動のうた』、絵本に『あめ ぽぽぽ』『ぷうちゃんのちいさいマル』など著書多数。

内容説明

田舎に引っ越してきた加奈子は、森の中でおハルさんという笑顔の素敵なおばあさんと出会う。深い森がはぐくんだ命の記憶を、少女のまなざしで瑞々しく描いたあたたかな物語。

著者等紹介

東直子[ヒガシナオコ]
1963年、広島県生まれ。歌人、作家。1996年「草かんむりの訪問者」で第7回歌壇賞受賞。2006年『長崎くんの指(のちに『水銀灯が消えるまで』)』で小説家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

148
お気に入りの東直子さんの作品を読むのは5作目。福岡県糸島郡に一年住んだことのある東さんが「死刑囚の母」と呼ばれ受刑者に慰問したくさんお手紙を交わしたことで知られる白石ハルのこともモデルにし創作されたフィクションとのこと。作中のおハルさんがとても温かい素敵な方で感動しました*小学生の加奈子が引越し先で出会った人々、自然豊かな土地での暮らしなどが描かれています!私も大阪から転勤で違う土地で暮らしたことがあり、その時の風景などが浮かんできて懐かしくなりました♪死刑囚の俳句は切ないです。素敵な作品でした★2015/02/13

takaC

132
なるほど。この話にぴったりのタイトルですね。著者にとって美しく大切な体験が書かれていました。2016/05/22

ゆみねこ

105
坪田譲二文学賞受賞作品。作者の実体験をもとに描かれた、とても美しい1冊です。福岡の糸島を舞台に都市部から田舎に引っ越した小4の少女加奈子と死刑囚に慰問活動をするおハルさんの交流。わずか1年のここでの暮らしは加奈子の心にしっかりと刻みつけられたことでしょう。お薦めです。2016/02/06

chimako

98
この物語が気持ち良いのは、子どもたちが気持ちをしっかりと言葉で伝えることが出来るから。それを受け止める懐の深い大人たちがいるから。東さんが描く森の中の神社や畦道の通学路やハルさんの庭や家の縁側・・・何でもない普通の場所がまるでそこにあるように色彩豊かに目の前に現れる。歌人ならではの言葉のセンス。そして、死刑囚の抑えた思いが迸るような俳句。日頃目にすることのないその一句一句に涙が溢れるのを止められなかった。幸せの意味を問われたよう感じた。ふた昔も前の小学生の目を通して自分の今を顧みられる秀作。良い本でした。2016/02/27

おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…

93
85/100点 福岡の街から田舎に引っ越して来た小学4年生の女の子の1年を描いた作品。素敵な家族と共に四季折々の自然と触れ合いながら、そこで出会った友達の咲子ちゃんや近所に住んでいるハルさんとの日常の暮し中で、自然の大切さや命の大切さを学び成長していく様子が、ふんわりと優しさのある文章で描かれています。読んでいて個人的に梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」のような空気感を感じました。読後感も良い素晴らしい作品です。2016/09/14

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