内容説明
病室で二人の男が話をしている。かつて二人が少年だった頃の懐かしく切ない想い出―少年達は、消えた少女を捜すために冥い森へと入っていった。次々と暴かれるそれぞれの嘘。そして最後に明かされる哀しく切ない衝撃のラスト。
著者等紹介
永瀬隼介[ナガセシュンスケ]
1960年鹿児島県生まれ。週刊誌記者を経て、フリージャーナリストに。2000年に『サイレント・ボーダー』で小説デビュー。ジャーナリストとして培われた取材力に裏付けられた緊迫感のある描写でストーリーテラーとしての評価が高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チアモン
57
最後まで読んで少年の嘘が解き明かされる。行方不明少女を探しに少年たちが山に入るお話。ライスカレーの話はジーンと胸に込み上げて来るものがあった。はぁっ。みんな幸せになってもらいたかったなぁ。2019/07/20
りょうこ
45
先が気になって寝る間を惜しんで一気に読んでしまった。少年達の一夜の冒険。その冒険で明かされる一つ一つの謎にちょっと涙ぐむ。ところどころに『⁈』の部分が散りばめられてて最後までうまく引っ張られた。映像化したらとても綺麗な映像になりそう。2016/06/10
有
28
哀しすぎる。誰かを救えるはずなのに、あるはずの希望も打ち消して誰かを失っていく。数々の疑問が吸い寄せられるように、そうであって欲しくないところへ収まっていく。どうして。子供が嘘をつく状況をつくりだす親がいけないんじゃないか。もっと周りを見て。最悪だと思える今も生かされているのなら、きっと大丈夫なのだから。つかなくてもいいのに、つかなければならない少年たちの嘘が哀しい。嘘をつく度に現実と虚空の間が広くなって、その隙間で苦しい思いをする。ついた方も、つかれた方も。膝を抱えて呟いた、チュウの本音が忘れられない。2012/05/09
鈴
23
途中でもしかして?とは思ったが、あまりにも切ない。カレーをみるたび、しばらく思い出しそう(T-T)子供たちにはみんな幸せであってほしいわ~こういうの、親として悲しくなる。ラストも溜め息。2012/10/02
ケイ
20
嘘って、そんなに悲しい嘘だったのか。少年達の逞しさと自然の厳しさに気をとられ、人生の残酷さに気づく暇がなかった。最後の方で本当に救いようのない気持ちになったが、本当のラストでは暖かい感動がきた。そして、途中の細かい伏線の数々にも気づく。2012/12/01