ポプラ文庫
あした、次の駅で。

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  • サイズ 文庫判/ページ数 189p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784591122778
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

東京で暮らす敬介の元へ、昔の恋人・百合子からの手紙が届く。それは、廃業がきまった故郷の映画館への招待状だった。ずっと記憶の底に封じこめてきた峡谷の小さな町へ―懐かしさにかられて帰郷する敬介を、空と谷の間を走る列車が、ゆっくりと心の旅へ連れ出してゆく。

著者等紹介

高山文彦[タカヤマフミヒコ]
1958年、宮崎県高千穂生まれ。2000年に『火花―北条民雄の生涯』(角川文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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どぶねずみ

34
これは廃線してしまった高千穂鉄道について書かれた物語。映画好きの元恋人から届いた手紙から物語が始まるが、過去に父親が引き起こした事故によって、戻りたくないと思っていた故郷。自分の素性を隠しながら帰京して、初めて知った真実。とても温かみがあり、失ってしまった路線の切ない思いがじわじわと沸いてくる。何だかんだ言っても、生まれ故郷は嫌いにはなれないんだなぁ。2021/05/27

あつひめ

28
故郷って、暖かいようで冷たい場所でもある。思い出したくもない場所・・・でも自分を見つめるとその場所は欠かすことができない。自然災害の大波をもろにかぶってしまった場所・・・でもそこでは今も生活をしている人がいる。不便でも普通に暮らしている人たちがいる。その故郷に一歩足を踏み入れることは自分の心の奥にしまい続けてきたものと正面から向き合わなければならない。1両編成の汽車の中・・・もしかしたらこの乗客は高千穂の神様たちなのでは?と思うほどのんびりでも心の中にずかずか入りこんでくる。なんとも不思議な作品。2011/03/28

ジュール リブレ

25
何十年ぶりかの百合子からの手紙。町、唯一の映画館が閉鎖になる。そして、ローカル線の車中の人になり……。高千穂に登る汽車は、トンネルを越えると別世界に入っていき。涙を誘う一冊でした。2015/11/16

おはな坊

4
子どもの頃何度も乗ってイトコの家に泊まりに行ったのを思い出しました、乗ったつもりで読んでみると姉が必ず窓際の席に座ったり、トロッコ列車に乗った時とか…地元の贔屓目もあるんですが、じんわりしてしまいました。2013/11/01

2Tone

3
田舎に最後の映画館の放映を見に帰る。淡々として始まる物語ですが、列車でののんびりした旅、途中に乗り込んで来る乗客との会話に、昔を思い出して行くうちに、心が洗われて来るところが心地よい。昔起った事件のことも、これで少しは報われたのかな〜とも思う。 あとがき読むと、実は、今は廃線となってしまった列車での旅を味わってもらいたい本でした。なかなか絶景な場面が出て来ます。2014/05/29

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