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百年文庫

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  • サイズ B6判/ページ数 186p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591118955
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0393

内容説明

ベートーヴェンへの憧憬が貧しい青年音楽家をウィーンへと駆り立て、感動の対面をはたす『ベートーヴェンまいり』(ヴァーグナー)。素晴らしい美声を持つ愛娘に、父はなぜ歌うことを禁じたのか?変人といわれた男の胸に秘められた想い(ホフマン『クレスペル顧問官』)。幼い浮浪者だった「私」を救ってくれた少女ニネット。前途に輝く成功のため「私」は温かい思い出を捨てた…(ダウスン『エゴイストの回想』)。音楽にまつわる、至福の、あるいは物狂おしい若き日の回想。

著者等紹介

ヴァーグナー[ヴァーグナー][Wagner,Richard]
1813‐1883。ドイツの作曲家、指揮者。バイエルン国王の援助を得て、音楽、詩、演劇を総合した楽劇を創始、台本もすべて自作した

ホフマン[ホフマン][Hoffmann,E.T.A.]
1776‐1822。東プロイセン生まれの作家。多彩な芸術的才能に恵まれ、司法官、音楽家、画家としても活動。怪奇的幻想的な作風は、ポーやボードレール、ドストエフスキー、アンデルセンらに影響を与えた

ダウスン[ダウスン][Dowson,Ernest]
1867‐1900。イギリスの詩人、作家。ボードレールらフランス詩人の影響を受け、繊細な抒情詩を書く一方、短篇も執筆。若い頃両親が自殺し、貧困と悲恋、結核などの不運が相次ぎ、32歳で夭折した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

91
「クレスペル顧問官」、「エゴイストの回想」は既読。ワーグナーって音楽家として花開く前に小説を著していたんですね。しかも「自分の死後」を仮定した妄想爆発系を(笑)こういう「俺スゲー!」な妄想系小説のっていつの時代も変わらず、書かれるんだなとしみじみと思ってしまう。ベートーベンに会うために音楽愛がないミーハーなだけの英国紳士との攻防は爆笑だが、それがあるからこそ、ハラハラドキドキできました。『ラインの黄金』も『ニーベルングの指環』も最後まで通して聴いたことがないけど、もしかしたら娯楽性が凄いのかしら?2018/08/21

アン

87
人生でそれぞれが奏でる音はどんな響きを放つのだろう…。貧しい青年が崇拝する音楽家に抱く熱い憧憬と純真な心。裕福で俗物なイギリス人とのユーモラスなドタバタ劇、面会を果たす場面は夢小説のよう『ベートーヴェンまいり』ヴァーグナー。有能だが風変わりな男として知られる父親の秘密、母親譲りの美声を持つ愛娘の悲劇。幻想的で哀愁漂う『クレスペル顧問官』ホフマン。ヴァイオリニストとしての名声と裕福な暮らしを得た「私」の選択。心のさざなみと未来への執着『エゴイストの回想』ダウスン。人生を映し出すかのような音楽にまつわる3篇。2023/11/09

風眠

75
ベートーベンのピアノ曲には好きな曲もあるのだけれど、ベートーベンご本人は苦手なタイプかもしれないなって、昔っからそう感じていた・・・って、ベートーベンご本人には会ったことはないけど(笑)。彼の音楽に触れてると、何となく感じる気難しさがあって、常にネタ帳的なものを携え、ぶんぶん怒ってるみたいな感じがして、苦手なタイプと思っていた。もしかしたら、その感覚はあながち間違いでもなかったのかもしれない。ベートーベンを崇拝するヴァーグナーと、毒づきながらもまんざらでもないベートーベン。なんて言うかちょっと、可愛い。2018/09/08

えみ

67
憧憬と妄信的な愛に危うさとほんの少しだけ羨ましさと嫉妬を感じてしまう、音楽への眼差し。そんな熱い想いがたっぷり奏でられている3篇の短編を収録した『響』。百年文庫シリーズ第13弾。何としても憧れの人に会いたい青年に待ち受けていた予想外の難敵と清々しい結末が温かな気持ちをくれる、ヴァーグナーの『ベートーヴェンまいり』。歌うことを禁じられた娘の秘密に父の想いを知る、ホフマンの『クレスペル顧問官』。残酷な取捨選択は何をもたらす?ダウスンの『エゴイストの回想』。人生に響くそれぞれの音に耳を傾けたくなる一冊だった。2022/11/27

ジュン

49
コミカルだ!本当にあのワーグナーが書いた小説なのか?何度も何度も疑った。ワーグナーって、曲の大半は暗い💦いや…ダイナミックで悲劇を描いた物が大半。一方小説のベートーヴェンまいりはコミカル過ぎる。ベートーヴェンを敬愛するあまりに、ベートーヴェンの家の周りをウロウロ。近くのホテルから家を見張り、外出するタイミングを見つけ出そうとしたり、酒場で張り込みとか…現代の追っかけと同じ。ハイリゲンシュタットの家かな?気持ちはわかります。自分もベートーヴェンまいりのクチです。ホフマンの短編も悲しい物語だけど良かった!2023/10/27

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