内容説明
フランスにおける失業の推移、雇用政策と社会保障制度、失業者の生活分析や調査等を通じて、失業とは何か、その対策のあり方を考える。
目次
第1章 失業:議論のある概念
第2章 失業の算定と輪郭
第3章 失業からの退出
第4章 失業対策のパラドックス
第5章 失業のなかで生きる
日本語版への補論 今日の失業と社会学研究
著者等紹介
ドマジエール,ディディエ[ドマジエール,ディディエ][Demazi`ere,Didier]
1961年生まれ。リール1大学において社会学博士。ベルサイユ大学において社会学博士論文指導資格(旧国家博士)。国立科学センター(CNRS)研究者(労働社会学者)。現在、ベルサイユ大学・CNRS付属PRINTEMPS研究所副所長
都留民子[ツルタミコ]
1952年生まれ。明治学院大学大学院社会学研究科修士課程(社会福祉学専攻)修了。現在、県立広島女子大学助教授
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感想・レビュー
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ゆう。
38
フランスにおける失業の状態から失業とは何なのか、どういう概念なのか、その対策はどうあるべきなのかを社会学的に考察した内容です。少し難しかったですが、たいへん勉強になりました。そもそも失業は権利なんだというとらえ方を読み手に示してくれており、現代社会のなかで必ず生じる失業問題をみる視点を鍛えてくれます。失業は自己責任にしてはならないのだと深く考えました。2019/04/15
うえ
4
「60年生まれの青年2150人から失業者や実習生、そして不安定労働者200人を選び対象として追跡調査は、「かつてないほど、社会的アイデンティティは職業的アインデンティティを通して形成される」と指摘している」フランスでの「外国人(多くは北アフリカ出身のアラブ人、そしてアフリカ出身の黒人)の失業率は20%を超えている…高等教育学歴のある者は7%である。年齢においても、失業の不平等が維持されている。25歳未満の失業率は25%近くで、成人層の2倍、高齢者層の3倍という水準は変わらない」2017/01/17