感覚の論理―画家フランシス・ベーコン論

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  • サイズ B5判/ページ数 195,/高さ 27cm
  • 商品コード 9784588158018
  • NDC分類 723.33
  • Cコード C1310

出版社内容情報

20世紀最大の色彩画家ベーコンの作品(97点収録)を素材に,絵画とは何か,芸術とは何かを問い,「感覚の論理」を読み解く思想的冒険。

内容説明

ゴッホやゴヤ以来の、20世紀最大の色彩画家の一人フランシス・ベーコン。現代の絵画に多大な影響を与えたこの画家の作品(97点収録)を素材に、絵画とは何か、芸術とは何かを問い、「感覚の論理」を読み解こうとする哲学者ドゥルーズの思想的冒険。絵画を構成する三要素(構造・形体・輪郭)、あるいは力、リズム、時間、相互性などをキーワードにベーコン芸術のさまざまな位相の展開を解釈、歪み・変形した人物像に表現されるその特異な世界を明らかにする。

目次

円形、トラック
昔の絵画と象形化の作用との関係についての覚書
競技
身体、肉そして精神、動物‐生成
要約的覚書―ベーコン絵画の展開と位相
絵画と感覚
ヒステリー
力を画くこと
絡み合う二人と三枚組絵
覚書、三枚組絵とは何か
画かれる前の絵画
標識図
アナロジー
画家はみな、自分なりに絵画の歴史を要約する……
ベーコンの旅
色彩についての覚書
眼と手

著者等紹介

ドゥルーズ,ジル[ドゥルーズ,ジル][Deleuze,Gilles]
1925年パリ生まれの現代フランスの哲学者。1969年からパリ第八大学教授をつとめる。主な著書に、17世紀の哲学者スピノザを現代に再生させた主著の一つでもある『スピノザと表現の問題』をはじめ、『意味の論理学』、『差異と反復』、『プルーストとシーニュ』、『ベルクソンの哲学』、『カントの批判哲学』、『シネマ』(2巻)などがある。また精神分析学者フェリックス・ガタリとの共同著作に、『カフカ』、『アンチ・オイディプス』、『千のプラトー』などがあり、その多くが邦訳されている。1995年11月4日パリで死去

山県煕[ヤマガタヒロシ]
1938年生まれ。東京大学大学院博士課程修了(美学専攻)。大阪芸術大学教授、神戸大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tyfk

5
www.francis-bacon.com で公開されているフルカラーの作品画像と比べると、ベーコンって色彩が強烈なのだなと。宇野邦一の訳本は作品連番が年代別になってるので調べやすい。2023/07/08

nranjen

5
ドゥルーズに関心ある人向けの本なのだろう。ドゥルーズ節炸裂。公立図書館で借りた本。違う訳が2016年に出ているけど公立図書館で新たに違う訳の同じ本を入れてくれることはまず無いだろう>< ベーコンの作品全体に対してドゥルーズ論法が炸裂しているが、どちらかといえばベーコンの作品ひとつひとつをもっとじっくり論じて欲しかった。何故figureは形体と形象にわかれるのか?何故全作品カラーでは無いのか。なにか色々モヤモヤがたまったのは、多分、私がベーコンにフォーカスした本を手に取ればよかっただけなのだろう。2020/06/17

きつね

4
ダイヤグラムを全面化(cf.オールオーヴァー)させず、抑制せねばならないという指摘は非常に面白かった。モダニズム小説論に接続できそう。ところで、文学における感覚の論理はどうなっちゃうんだろうなぁ。大脳/神経という区分が足枷になっちゃうような。「内的鍵盤」の位置づけも少し掴みづらかった。要再読。ヴァレリーも読まなきゃだめかしら。2012/11/19

Kamîyama

1
哲学者ドゥルーズによる画家ベーコンの絵が与えるあの不明瞭でありながら鮮烈で激しい感覚に関する論考である。極めて難解な書物と言えるが、ベーコンに関心があり、かつ哲学の素養があるのであれば十分に読み解くことができるだろう。ドゥルーズによればベーコンの絵は形象によってその存在を伝えるものであるという。この感覚はベーコンの絵と対峙したことがある者ならば即座に理解されよう。それが色彩や構図、人物の造形などからどのようにして生じてくるかを緻密に語る。その姿はベルクソンのRéalitéについての記述を思い起こさせた。2013/04/13

ULTRA LUCKY SEVEN

0
とても価格が高い割には図版が全編カラーではないのが残念。ドゥルーズの本としては少し整理しすぎの気がしなくもない。しかしこういう本こそ文庫化してほしい。広く読まれるべきです。2010/11/10

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