マラケシュの声―ある旅のあとの断想 (新装版)

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マラケシュの声―ある旅のあとの断想 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 169p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588120176
  • NDC分類 945
  • Cコード C0098

出版社内容情報

古都マラケシュの人々の心に深く旅し,その聴覚的世界に魂の始源の郷国をさぐる。作者の死の意識の風景にこの都の内的現実を鮮明に浮彫りにした紀行文学的文明論。

内容説明

モロッコの古都マラケシュの人々の心に深く旅し、その話し言葉・叫び声・つぶやき・歌などの神話的・呪術的に響きあう聴覚上の世界に、失われた「原初の言葉の顕現」と「人間の魂の始原の郷国」をさぐりだす。異文化にふれあいながら、作家カネッティの「死の意識」の風景のなかに、マラケシュが直面する内的現実を浮き彫りにした感受性あふれる紀行文学的文明論。

目次

駱駝との出会い
スーク
盲人の叫び
マラブートの唾
家の静寂と屋根の空虚
格子窓の女
ミッラ訪問
ダッハン家
語り手と書き手
パン選び
中傷
驢馬の悦楽
“シェーラザード”
見えざる者

著者等紹介

カネッティ,エリアス[カネッティ,エリアス][Canetti,Elias]
1905年、ブルガリアのスパニオル(15世紀にスペインを追われたユダヤ人の子孫)の家庭に生まれ、少年時代をヨーロッパ各地で過ごし、ヴィーン大学で化学を専攻、のちイギリスに亡命し、群衆・権力・死・変身をテーマにした著作をドイツ語で発表。1994年8月14日チューリヒで死去、89歳。1981年度ノーベル文学賞受賞

岩田行一[イワタコウイチ]
1930年生る。東京大学文学部ドイツ文学科卒業。東京都立大学名誉教授。2004年9月死去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

S.Mori

12
ノーベル文学賞を受賞したブルガリア生まれの作家カネティの旅行記です。モロッコのマラケシュを旅した時のことが書かれています。旅行記といっても現実的なものではなく、幻想の世界に足を踏み入れています。圧巻はユダヤ人街に行ったときの「ミッラ訪問」です。そこで彼はユダヤ人、ロシア人、アラブ人といった様々な民族の人々と出会い、街の広場で自分はこの場所そのものだという感慨を持ちます。自分の存在を広げて、多種多様な民族を自分の中に受け入れてしまうこの作家の懐の深さが、モロッコという国と共振する瞬間が忘れがたいです。2019/11/29

スズメ

11
今まで旅した中で一番強烈な印象をもたらしたモロッコ。だから気になっていたけど、なかなか手に取る機会がなく、やっと完読です。訳本だったので原書で読めればもっと感動出来たはず。でもここかしこに、あの喧噪と強烈な皮の匂いと眩しい空が滲み出てくるようで、思った以上に楽しく読めました。日々変化する世の中で、モロッコも書かれた時と今とでは随分面変わりしていますが、根底に流れているあの摩訶不思議な雰囲気はしっかり健在していました。でも作者がラマダン(断食)の時期を含めもっと長く滞在していたら、違った本になっていたのでは2011/09/27

みねたか

9
モロッコの都市マラケシュ滞在の断章。タイトルの「声」は、あえて現地語を習得せず、コーランの朗唱、物乞いの叫び、市場での声など音そのものの持つ迫力を感じようとしたもの。 広場で聴衆に向かう語り手について,同じ言葉を生業としながら、直接語ることへの畏敬の念が書かれていて、言葉に対する態度に襟を正す思い。 また,路地には家の窓はほとんどない閉鎖性と、市場の生産活動や中庭と天に向けて開かれる開放性の共存。広場の喧噪を通じた当地での人々の営みなど、自分自身が異文化体験をしているような感覚を覚えた。2016/03/08

DEE

7
三年前に行ったマラケシュを思い出しながら読んだ。 スークの何でも売っている雑然とした空気や、迷路のような狭い通路を歩いているうちにいつの間にかひとりぼっちになっていた記憶が蘇ってきた。 旅行記ではなく「音自身の欲するままに、音そのものによって掴まれたかった」という著者の感じるままを書いた作品なのでやや読みにくいところはあるけど、違う時代の同じ場所を見た他人の印象というものは面白いと思う。2017/10/07

うえ

4
「モロッコから帰ってからというもの、試みに眼を閉じ脚を組んで…「アッラー!アッラー!アッラー!」と唱えてきた。わたしはこう想像してみた。わたしは…唱え続ける。…そのようにして生きる。粘りづよくこの生活を固守する。わたしの生活を妨害するものがあれば、わたしは激怒するであろう。」「このユダヤ人たちの荒涼たる墓地の上には何もない。この墓地は真実そのものであり、死の月明風景である。誰がどこに横たわっていようと、それは墓を眺める者にとって全くどうでもいいことである。…墓石はみんな石塊のようにそこにころがっている」2023/10/05

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