りぶらりあ選書
鏡の文化史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 300,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588022111
  • NDC分類 756.5
  • Cコード C1322

出版社内容情報

地位の象徴,貴族の贅沢品,女性の宝物,家具…として文明を映してきた鏡の発展史を豊富な資料から解き明かし,鏡をめぐる人々の感性と生活像を多彩に描き上げる。

内容説明

人はどのようにして自分の姿と向き合ってきたか。古代から現在までの西洋における鏡と人間との関わりを心性史の視点から描く。金属製の鏡の起源からガラス製鏡の普及にいたる技術史に始まり、神話や聖書、文学作品、宗教的・哲学的著作、古文書、絵画や版画の図像学など豊富な資料を分析して鏡の不思議な力=鏡のもつ両義性を解き明かし、鏡をめぐる人々の感性と生活像を多彩に映し出す。

目次

第1部 鏡とその普及(ヴェネツィアの秘密;王立ガラス・鏡製造工場;贅沢品から必需品へ)
第2部 類似の魔法(神の似姿として;模倣の勝利;自己考察のための自己直視)
第3部 無気味な奇妙さ(悪魔のしかめ面;斜めの=横目の鏡と、鏡の策略;鏡の破片=輝き)

著者等紹介

メルシオール=ボネ,サビーヌ[メルシオールボネ,サビーヌ][Melchior‐Bonnet,Sabine]
フランスの歴史家。コレージュ・ド・フランスの研究員

竹中のぞみ[タケナカノゾミ]
1956年神奈川県生まれ。上智大学外国語学部、同大学院文学研究科を経て、ボルドー第三大学博士課程修了(第三期課程博士号取得)。現在北海道大学言語文化部助教授。専門領域はフランス文化論、フランス地域研究
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風太郎

6
鏡の歴史、製法、どのように伝えられ発展していったのか、ガラス鏡を中心に語られた本です。現代は鏡と言えば人の姿を映す道具のように思われていますが、できた当初は鏡を持つことがステータスの証のようなこともあり、非常に貴重なものだったようです。ベルサイユ宮殿の鏡の間も太陽王の権力の証の一つでした。でも鏡が大量生産されるようになると、権力の象徴としての役割は消えていきます。モノは単なるモノではなくて色々な意味を帯び、変化を伴うという好例を描き出しています。2018/12/25

左手爆弾

1
非常に浩瀚な鏡の歴史だが、それぞれの部ごとのテーマに注目して読み解くのがよい。第一に、鏡の製法とその普及である。ガラス鏡の製法はヴェネツィアからフランスに伝わり、17世紀を通じて一般に安価な鏡が普及する。第二に、鏡の持つ文化的意義である。鏡は何かを映すものである。だが、その映り方はいくつかのバリエーションがある。世界をそのまま映す、歪めて(悪く)映す、普通は見えないものを映す。中世では質料への形相変化のモデルであり、ルネサンス以降の顕微鏡や望遠鏡の登場は光学の発展と並んで鏡の地位を高める。2020/06/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/297953
  • ご注意事項