叢書・ウニベルシタス アーカイヴの病―フロイトの印象

デリダ，ジャック【著】〈Ｄｅｒｒｉｄａ，Ｊａｃｑｕｅｓ〉/福本 修【訳】

法政大学出版局（2010/11発売）

• サイズ B6判／ページ数 188p／高さ 20cm
• 商品コード 9784588009471
• NDC分類 135.5
• Cコード C1310

内容説明

アーカイヴの概念は今日、記憶や技術、法や暴力、民主主義や幽霊たちをめぐる哲学の問いを呼びさます。起源を求めるアーカイヴの病＝悪、アーカイヴを創設し管理する者の無意識、すべてを抹消する死の欲動のあいだで、歴史記述はどのようにあるべきか？歴史家イェルシャルミの著作やフロイトのモーゼ論・『グラディーヴァ』論を通じて、デリダがユダヤ性と精神分析、未来の問題を掘り下げた重要講演。

著者等紹介

デリダ，ジャック［デリダ，ジャック］［Ｄｅｒｒｉｄａ，Ｊａｃｑｕｅｓ］
１９３０‐２００４年。アルジェリア生まれのユダヤ系哲学者。パリの高等師範学校で哲学を専攻。同校の哲学教授を経て、社会科学高等研究院教授を務める。西洋形而上学におけるロゴス中心主義の脱構築を提唱し、構造主義以降の人文社会科学の広範な領域―文学・芸術理論、言語論、政治・法哲学、歴史学、建築論ほか―に多大な影響をもたらした

福本修［フクモトオサム］
１９５８年生。東京大学医学部医学科卒業。静岡大学保健管理センター。タヴィストック・クリニック（ロンドン）勤務を経て、恵泉女学園大学人文学部教授。代官山心理・分析オフィス、長谷川病院に勤務（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[寛生]

【図書館】デリダの日本語訳を読んだのは本書が初めてかもしれない。僕は《翻訳》の専門家ではないことを断った上で、どうしても、本書の翻訳について言及したいので、言わせていただくと、かなりいい加減だと想う。英語から翻訳しているの？それともフランス語かしら？なぜ、フランス語から英語に訳されたものを、さらに日本語にしているのか？デリダの哲学にかなり通じ、翻訳に通じているものでない限り、本書を理解するのはかなり無理がいるだろう。それは翻訳者個人の問題というよりも、編集者、出版社、ひいては、哲学界の問題だと想う。

2015/11/03

[Ecriture]

アーカイヴは創設すると同時に保守する。外部のないアーカイヴはない。アーカイヴを許可し条件付ける当のものの中にア・プリオリに忘却と秘匿とアーカイヴ―原―暴力的なものが潜む。紙とインクの限界は電子メールによって新たなフェイズに進んだ。「フロイト」の「印象」はそれでもある。無意味にはならない。現実態と可能態の対立にとらわれない仮想的=潜勢的な思考。アーカイヴは抑圧のアーカイヴと分離できない状態である。唯一性は来たるべきものによるブレの中にあるがそうでなければ個人のワガママに支配されて唯一性を保てない。

2011/05/01

[Bevel]

自分だったら、イェルシャルミに「どうしてこんな本書いたの？ユダヤ的なものって何？実在するの？」問い詰めてしまうと思う。けれども、実在すると思わなかったら、本なんて書かない。デリダは、そのユダヤ的なるもの、そしてアーカイヴの意味がどのようにして表現されるのかを、辿っていく。結論は最初に書いてあって、指示機能には還元できないよくわからない抽象名詞の意味は、未来における約束によって、メシア的なものによって保証される。翻訳がよくて読みやすかったように思う。

2011/03/20

[Labdakos]

　丁寧に叙述していることは伝わってきたけど、細かいところ、語彙がよくわからなかった。イェルシャルミやイェンゼンのグラディーヴァを読めばもっと分かるかな？　訳者あとがきではフロイトや本書の背景について触れられていて、少し救われました。時間をおいて再読したいです。

2011/06/06

[メルセ・ひすい]

14　赤74アーカイヴは亡霊｡｡それは当然蓋然必然！ｻｲﾊﾞｰ空間をﾃﾞｰﾀｰが漂う虚悪の亡霊｡それゆえ､ｲﾆｼｴのような､優雅･雅･なﾕﾄﾘ､陶酔ﾃﾞｷﾙゆらぎは望むべくもない｡光速で容赦なきﾃﾞｰﾀｰ攻撃！ﾂｲｯﾀｰミサイル！愛も恋もｻｲﾊﾞｰからﾐｻｲﾙによる神風､自爆攻撃｡｡対象者の精神､肉体に容赦なく突き刺さる｡そして炸裂…精神破壊｡｡それは熟成醸成する前に破滅は予測想定内?? そうです､それはあなたたちが喰している屠殺場に向かう…豚 頓死 豚死の結末は自明の結末｡｡ゆらぎ　みやび　ゆうが　夢想

2011/02/27