叢書・ウニベルシタス<br> 法の力

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叢書・ウニベルシタス
法の力

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  • サイズ B6判/ページ数 220,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588006517
  • NDC分類 321.1
  • Cコード C1310

出版社内容情報

デリダの政治哲学。法・権利を越えた正義の視点からナチス「最終解決」に極まる法暴力を批判。またハイデガー,ベンヤミンの「破壊」と脱構築との差異を明確に論究。

内容説明

デリダの「政治哲学」。「脱構築は正義である」との宣言の下で、法/権利を越えた「正義」の観点から、ナチスによる「最終解決」に極まる法の暴力を批判。またハイデガーやベンヤミンの「破壊」のもつ問題点を抉り出し、それらと脱構築との差異を明確に論じる。

目次

第1部 正義への権利について/法(=権利)から正義へ
第2部 ベンヤミンの個人名

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

4
「脱構築は正義である」という名フレーズの出た後期デリダの重要作。いかにも難解そうだがかなり大切なことが書かれている。構築された法は脱構築可能であり、正義は脱構築不可能。ゆえに脱構築は可能である。謎めいた禅問答のようだが、導かれる思考はあくまで他者への応答可能性であり、出口なきな状況でいかに倫理をなすかだ。そしてそれは普通の人間の日常にも無縁ではない。抽象的、かつ独特の詰め方がしているだけである。第二部はベンヤミンの暴力批判論の適切な名解釈。シュミットとの親近性など参考になる2010/12/28

人生の厄介息子

0
脱構築( déconstruction)の諸相をパスカルの正義論、ベンヤミンの神話的暴力/神的暴力、そしてデリダ自身の法/権利・応答可能性という概念を辿ることによって浮かび上がらしている。著作名のとおり、『法の力』は法を主題として扱っているが、デリダによる法の限界の指摘、法への批判は斬新で、魅力的である半面、我々読者を決断不可能性というアポリアに導くこととなる。ベンヤミンの『暴力批判論』と合わせて、再読を試みたい。2013/12/10

笹帽子

0
難解。理解したところもあるけど、理解できなかったところも多い。第一部、正義が脱構築不可能だというのはわかったが、なんか丸め込まれたような気がしないでもない。第二部はやたらベンヤミンがシュミットと近いことを示唆したり最終解決を強調しまくっていて印象的だったが、このあたりをベンヤミンとデリダそれぞれの人種・出自・人生での体験に還元してしまうことなく理解するのは実は難しいのではないかなどと思った。2011/01/28

毒モナカジャンボ

0
脱構築は脱構築可能なものを脱構築できるが、脱構築は脱構築不可能なものによって支えられる(でなければ脱構築自体が如何様にも脱構築可能なものになる)という当然の理屈があり、ここで脱構築可能なものとなるのは法/権利、そしてベンヤミンのテクストであり、脱構築不可能なものとは正義であり、それに結び付けられた責任/応答可能性である。計算不可能な、不可能な決断を緊急的に要請する正義は未到であり、経験不可能なものだがアポリアへのドン・キホーテ的決断こそが正義への道筋をなす。ベンヤミンの神的暴力とホロコーストの「類似」。2021/07/30

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