出版社内容情報
狭隘な科学主義と呪縛されたあらゆる二分法的思考、とりわけ真理と理性についての客観的な見方と主観的な見方との間の二分法に見られるような桎梏を断つことを目的として、真理と合理性の間の関連、「理想的条件のもとでの合理的受容可能性」としての真理を追求する。形而上学的実在論と、クーンやファイヤアーベントらに根強い相対主義を排し、新たな「内在主義」ないし「内在的な実在論」の立場を提示、パトナム哲学の成熟を示す。 <初版1994年>
内容説明
あらゆる二分法的思考の桎梏を断つさまざまな真理論はそれ自体が疎外された見解だ、とする立場から、二分法的思考を批判して、真理と合理性との関連を精緻に分析する。形而上学的実在論とクーン、ファイヤアーベント、フーコーらの相対主義的立場をともに排し、分析哲学の成熟を示す内在的実在論を樹立。
目次
第1章 水槽の中の脳
第2章 指示に関する一問題
第3章 二つの哲学的な見方
第4章 心と身体
第5章 二つの合理性概念
第6章 事実と価値
第7章 理性と歴史
第8章 近代の合理性概念に科学が与えたインパクト
第9章 価値、事実、認識