戦争社会学の構想―制度・体験・メディア

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  • サイズ A5判/ページ数 444,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784585230205
  • NDC分類 391.1
  • Cコード C1031

内容説明

総力戦から“新しい戦争”まで―歴史学、軍事学、政治学、文化人類学、メディア研究などさまざまな学問分野の知見をとりこみ、新たな研究のフィールドを拓く。「戦争と社会との関わり」および「戦争を駆動する力学」を問う戦争社会学の挑戦。

目次

第1部 「戦争」研究の系譜と社会学(戦争社会学と戦中派経験;戦争社会学への挑戦―日本近代を問う;戦争研究と軍隊研究―ミリタリー・ソシオロジーの展望と課題;「戦争」研究と自分史―シンポジウム「『戦争』研究の視角―社会学と歴史学の交差」より)
第2部 「戦争」を社会学するための方法論(沖縄戦の後遺症とトラウマ的記憶;満洲引揚者のライフヒストリー研究の可能性―歴史実践としての『下伊那のなかの満洲』;「戦争」をめぐる言説変容―体験論とメディアの力学;消費社会の記述と冷戦の修辞;ジェンダーの視点から見る戦争・軍隊の社会学)
第3部 戦争の社会学/社会史の展開(ドイツ歴史学における戦争研究―戦争の経験史研究補遺;「歴史学と社会学の交差」についての偶感―『戦争社会学ブックガイド』をめぐって;帝国と冷戦の“捨て石”にされた島々―戦場から基地化・難民化へ;ポイエティークとしての慰霊と戦跡―戦死者表象をめぐる社会学・人類学;戦争の記憶と観光―グアムに見る戦争観光の三類型;「新しい戦争」をどう考えるか―ハイブリッド安全保障論の視座;「文化遺産」と戦争をめぐる問い)

著者等紹介

福間良明[フクマヨシアキ]
1969年生まれ。立命館大学産業社会学部教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)。専門は歴史社会学・メディア史

野上元[ノガミゲン]
1971年生まれ。筑波大学人文社会系准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(社会情報学)。専門は歴史社会学・戦争社会学

蘭信三[アララギシンゾウ]
1954年生まれ。上智大学外国語学部教授。京都大学大学院文学研究科(社会学専修)博士後期課程中退。専門は国際社会学・歴史社会学

石原俊[イシハラシュン]
1974年生まれ。明治学院大学社会学部准教授。京都大学大学院文学研究科(社会学専修)博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。専門は歴史社会学・地域社会論・島嶼社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

onisjim

2
ほとんど一息で読んだ。すばらしい。この夏いちばんのあたり本かもしれない。もしいま俺が学生だったらこういうことをやりたいんだと本気で思った。まだ若い研究者が多いこともあるので、今後実り多いフィールドとして発展していくのではと期待できる。ちょっと高い本だけれども、大学の研究室や図書館に少数入れるだけじゃもったいないな。2013/08/16

Mealla0v0

0
従来の社会学が正面切って扱ってこなかった戦争を社会学的に考察することを宣言した本書。まだまだ荒削りの感は拭えぬが、今次、読むべき一冊である。▼野上元「消費社会の記述と冷戦の修辞」。冷戦が日常の中に溶け込んだ戦争であり、それは消費社会のロジックと極めて親和的である、ということを喝破したこの論文は、実に興味深い。戦争の不可能性が傾斜させた経済への耽溺は、戦争の消費財化、スペクタクル化を齎した。「ゆたかな社会」-「冷戦」という構造の帰結は慧眼。《個別的かつ全体として「死」を禁止する》。2017/05/09

Keiichiro

0
社会学というのはその守備範囲の広さから誰でも「〇〇社会学」の開祖となれるが、逆にその内容の陳腐さや社会学の学問としての存立を疑問視する声に加担するようなひどい成果をもたらしたりする。しかし本書は戦争という社会現象を社会学的手法を用いながら、描こうとしており良書であるといえる。歴史学でもメディア論でもなく社会学とは何を目的としているのか、それすらも先鋭化させてくれる本であった。2018/04/02

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