国家の危機

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  • サイズ B6判/ページ数 321p
  • 商品コード 9784584133194
  • NDC分類 309.3
  • Cコード C0095

内容説明

「社会主義は死んだ」―そう言われて二十年が経過した。しかし、資本主義の内在的論理を知るためにマルクスを読むこと以上に有益な方法はない。だから、国家と人間の危機に際して、それは繰り返し我々に省察を迫ってくる今も生きた普遍的理論なのだ。まだ見ぬ未来の世界を、現在に逆照射するある種の啓示として―。

目次

序章 東日本大震災をマルクスで読み解く
第1章 変質する国家
第2章 マルクスと宗教性
第3章 社会主義はなぜ失敗したのか
第4章 『資本論』を読む
第5章 マルクスの可能性

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

非日常口

5
「『資本論』は資本家を対象に書かれている節がある」という一言にゾッとする。資本主義は収奪を正当化するために外部を内部構造のものと見せかけるが、原発事故という現実は外部にも中に入らぬ物があるということを私達に突きつけたのだろう。債務という檻から国を逃がさぬ構造。一方で資本は一定期間国に従事しても、自身がそれを越えられるのなら国家を飛び出すようになった、それがグローバリズムだ。公債化する証券市場がある一方、民意がクレクレと叫ぶエゴに成る。隣人を敵と見なすか、協力関係を結ぼうとするか、日常の自分を観察したい。2013/09/29

壱萬弐仟縁

4
マルクス『資本論』の参考書を書かれた的場先生と、月に3~500冊読まれる読書の達人佐藤先生の対談。共に尊敬できる先生たちの知に触れる好著。自粛という市民社会の論理(25ページ~)。3.11で被災しない他の日本人は、努めてチャラチャラしないで節電に取り組んだのは確かだった。平和ボケとの自虐的表現もあるが、努めて冷静に、と。評者は国民国家について、国家は生き延びても国民が無くなってしまえば、元も子もないと思っていた。脚注が多彩な内容で、それらを追うだけでも相当知識がないと理解不能。国家という枠組みは頑固堅牢。2012/12/19

ひろゆき

3
雑学。トクヴィルのフランス革命はブルジョア革命にあらずとか。ソ連末期に平均的な労働時間は三時間で、社会主義の一つの目標が達成されていたこと、など。そりゃあアル中増えるよね。旧東ドイツが多党制で、ナチスの改悛したグループや自民党などがあったというのは驚き。疎外論などはマルクス主義がヒューマニズムなのだよと言うためのとりあえずの論としか思えず私の興味の外。ましてやマルクスが出版しなかった「ドイツイデオロギー」の編集がどうとかは、研究者以外どうでもよいことかと。 2017/08/22

Happy Like a Honeybee

2
人間の顔がいいのは努力だが、頭のいいのは生まれつきか? 資本論やマルクスに通暁したお二人の対談。 内容は譲歩するとして。 経済学は庶民の学問ではなく、ブルジョアジー視点の学問とは鋭い指摘。 経済を担う人たちの利害を学ぶ術であるのだろう。2015/01/05

Akio Kudo

1
★ 迷ったがこの評価。非常に教養が必要とされる本。だが、一般人に分かるように書けていない。2019/07/22

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