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超「暴力」的な父親

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584121528
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

内容説明

最近の若い人たちの間では自分の家族のことが話題になることが多い。かつての若者の関心事といえば、セックス、車、金であった。それらは、かつては充たされないものだったからだろう。ところが今、替わって、家族が、父親、母親との関係が、地域社会での人と人とのつながりが関心事になっていることは、考えてみれば恐ろしいことで、かつては当たり前に存在していたものが、今や、存在感が薄れ、失われかけ、無くなりかけているものになっているからではないか。梁石日の小説に登場する暴力的な父親が、とっても新鮮なのは、今時あそこまで生身の肉体を本気で子供にぶつけてくる父親はいないからだ。ページをめくれば、ものすごい父親が圧倒的な存在感で迫ってくる。

目次

第1部 この父親を見よ(オヤジは小説『血と骨』の金俊平そのもの;戦争が終わって、事業を始めたオヤジ;オヤジとオフクロ、そしてオヤジの妾たち)
第2部 私も父親失格だった(オヤジの孤独な人生が反面教師に;私に父親の自覚が生まれるまで;疑似家族の付き合い;しみじみ父親としての気持ち)

著者等紹介

梁石日[ヤンソギル]
1936年、大阪市に生まれる。高校卒業後、さまざまな職を転々とし、二十六歳で印刷会社を興すが、二十九歳のとき莫大な負債を抱えて倒産。各地を転々と放浪したのち東京でタクシー運転手の職に就き十年勤める。その間に書いた『狂躁曲』(『タクシー狂躁曲』)でデビュー。これは『月はどっちに出ている』のタイトルで映画化され、映画賞を総ナメにする。1998年、実父をモデルにした小説『血と骨』で第11回山本周五郎賞を受賞。百万部を超えるベストセラーとなり、映画化され、大ヒットした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バカ殿。

3
小説『血と骨』の著者が、本書で父親の実話を語っているが、小説以上にすさまじい。著者自身も億の借金をしたり、ホームレス直前までいったり壮絶だ。映画『血と骨』で北野武が父親役をしていたが、この父親と武は(そして著者も)子供ができても、父親の自覚がもてず、全く家庭かえりみなかったところがピタリと共通していていて、やはり武には適役だったのだとつくづく思った。2015/12/09

岩井 靖

2
著者の凄い父親のことが書いてあります。この父親をモデルにベストセラー「血と骨」が書かれたそうです。この本だけでもう結構という印象です。「タクシー狂躁曲」という小説は読んでみたいと思いました。2012/07/27

きさらぎ

1
「わしは、キサマの何なんだ!」 「お父さんです」 「なにい、この野郎、おまえ、 お父さんと思っていないくせに。嘘をつくな!」 恐怖に震える著者に、父は上半身裸になり、包丁を握らせる。 「これで、わしの身体を突け!」 著者が震えていると、 「きさま、度胸ないのかーっ!」 と、自分の手で握った包丁を腹に刺していくのである。恐怖の余り私は泣き出すしかない。いくら、長男には暴力をふるわないからといって、これではあっさり殴られた方がマシである。 壮絶な父親像である。立ち読みでもいいので、よかった2013/03/27

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