出版社内容情報
日本に生息する哺乳類、鳥類、魚類から植物まで、生き物の名前に秘められた歴史・文化をひもときつつ、最新の科学的知見を参照しながら、その知られざる生態を紹介する。
内容説明
名前には、それぞれの歴史と文化が詰まっている。ゼニガタアザラシは江戸期の硬貨に似た輪模様から、ゲンゴロウブナは室町時代、恋文をフナの腹に忍ばせ、姫の心を射止めた漁師・源五郎からその名がついた。日本に生息する七二種の生き物の話から、種名にまつわる豊かな物語世界をのぞいてみよう。名づけのエピソードをひもとけば、人と動物の意外なつながりが見えてくる。
目次
第1章 「モモンガ」は森の妖怪の名前だった―哺乳類
第2章 「タンチョウ」が不老長寿の代名詞に!?―鳥類
第3章 アイヌ語で“神の魚”の称号を持つ「ニシン」―魚介類
第4章 貝原益軒も名づけに悩んだ「イモリ」―両生類と爬虫類
第5章 合戦の記憶を名に残す「ゲンジボタル」―昆虫類と環形動物
第6章 幸福の花言葉を持つ「スズラン」は毒草だった―植物
著者等紹介
平田剛士[ヒラタツヨシ]
1964年広島市生まれ。北海道大学大学院工学研究科中退後、北海タイムス記者を経て91年からフリーランス。環境問題を中心に取材活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
3
生物にはそれぞれ名前が付けられている.何気なく聞いただけではスルーしてしまうかもしれないが,よくよく調べてみればなぜその様な名前がついたのかがわかってくる.そして,その智識を持った上でもう一度観察すれば,新しい一面が見えてくるだろう.2012/12/23
よしあ
2
著者在住の北海道の動植物がメインだが、なんというか、生き物への愛があふれている。一章に一種の組み立てだが、イラストか写真が添えられていて、分かりやすい。 イラストの選定も著者かどうかは分からないが、各分野のイラストレーター氏の絵を使っているようだ。このイラストがまた愛にあふれている。2023/08/01
chisa
2
「EZO」と「EDO」とを1文字誤記してしまったため本来生息していない地名が名前につけられてしまったネズミの話など、日本の生き物についての名前の雑学がテンポ良く紹介されている。面白かった!2012/11/11
kuwagata
2
動植物の名前の由来に秘められたドラマを紹介してくれる小百科。読んでみてわかるが、北海道にゆかりのある動植物が多い。というのも、著者が北海道在住で、北海道新聞に寄稿したエッセイがベースになっているから。モモンガの語源は江戸時代の妖怪「ももんぐわ」だったり、マグロは赤黒い肉質にちなんで関東で「真黒」と呼ばれていたからとか、ちょっとした雑学が身に付く。2012/09/30
Machina Sapiens @人工無能
2
著者が北海道勤務時代に、地元新聞に寄稿したエッセイがベースになってます。魅力的な逸話が散りばめられた面白い本なのですが、本文中に紹介される参考文献が、これまた大変面白そうで、まるで迷宮に分け入る気分です。そっちに踏み込んだら、きっとしばらく帰ってこれないな?2012/09/24