内容説明
地球に生物が誕生しておよそ四〇億年。だが、現生人類の誕生からは、まだ二〇万年しかたっていない。一日に換算すると、わずか五秒の間に、人類は火を使い、文明を築き、高度に発達した現代社会を創りだしたことになる。なぜこれほどまでに早く、人類は進化できたのか。近年、見直しの機運も出てきたラマルク説をもとに解き明かす。
目次
第1部 人類の進化―ラマルクの「用不用説」から読む(生物の進化をめぐる謎―巨人ラマルクの進化論;人類の出現の謎―巨大爬虫類の跡を埋めた哺乳類;大自然の摂理の外に出た人類―得たもの、失ったもの;文明を築いた人類の追求―真・善・美)
第2部 文明社会の進化―天才の果たした役割(ギリシャ文明の奇跡;世界征服と優生学―戦争による逆淘汰;人類文明の牽引者;人類の進化から見た天才―物質的報酬と精神的報酬)
著者等紹介
杉晴夫[スギハルオ]
1933年生まれ。東京大学医学部助手、米国コロンビア大学医学部および国立保健研究所勤務を経て、帝京大学医学部教授、2004年より同大学名誉教授。この間、国際生理科学連合筋肉分科会委員長を務め、日本動物学会賞、日本比較生理生化学会賞などを受賞した。また現在も、筋収縮に関する研究に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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B-Beat
15
もの足らない内容。著者の得意分野でないかな。2019/05/08
tetsu
10
★5 またまたいい本に出合った。生物としてヒトの進化と文化人類学的な文明の発展を一貫して解説するとてもユニークな視点で、これ一冊で人間の事がまるっと分かった気になります。 特にヨーロッパの歴史については、ギリシャを出発点とし、ルターの宗教改革、植民地政策、資本主義の発展、優生学の背景など、コンパクトにまとまり流れを理解するには素晴らしく分かりやすい。 お勧めの一冊です。2018/04/05
イビサ
2
人間の発情期や体毛の消失理由など、あまり根拠がなく参考にならなかった。自分はダーウィンの自然淘汰説でもラマルクの用不用説でもどちらでもいいのだが、生命は「進化」を目的にしているのではなく、多様化による生き残りを目指すシステムだと思っています。2014/03/27
がろんっ
0
文明が発展するためには天才が幾人も現れなければならない。今の文明は奇跡の上に成り立っていると思った。2017/08/05
ゆきにゃん
0
猿人から今の人類へ至った話や、人類が文明を築いた話。読んでてギリシャ人ってすごかったんだなーと感動。彼らの世界観に興味がわいたので、ギリシャ人の本読んでみようかな… あと、環境に適応して「そのままでいいや」となると進化が止まるというのに色々考えさせられました。人類は非力だったゆえに、武器を持つように進化していったと。天才と凡人の差もそこにあるのかもしれませんね。適応者ではなく進化する人間でいたいものです。2014/03/14