内容説明
英国王室御用達の認定証「ロイヤルワラント」は、十二世紀ヘンリー2世の時代から今日に至るまで、八百年を超えて受け継がれてきた堂々たる歴史を持つ。独自の技法を伝え、豊かな伝統を誇る老舗の数々。これまで語られることのなかったその魅力を、現地取材とインタヴューをもとに紹介する。
目次
第1章 英国王室御用達とは―王室の伝統を支え続けるロイヤルワラントのシステム
第2章 クラフツマンシップの継承者たち
第3章 英国の正統を現代に伝える老舗
第4章 王室お気に入りのイングリッシュテイスト
第5章 英国ジェントルメン文化の担い手たち
付録 日本で入手可能なロイヤルワラント名品リスト20
著者等紹介
長谷川喜美[ハセガワヨシミ]
ジャーナリスト。イギリスを中心に、ヨーロッパの魅力を文化とクラフツマンシップ、食の視点から紹介。ビスポークシューズ、サヴィルロウテーラー、スポーツカー、シングルモルトなどに関する記事を、雑誌を中心とした媒体に執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヘジン
4
再読。知っているブランドはいくつかあるものの、購入したことがあるのは紅茶くらい。英国のロイヤルワラントは「現在」称されている日本の「宮内庁御用達」とは全く非なるもの。2021/01/05
madhatter
2
通読して思うのは、ロイヤルワラントには、全体として大きく変わりはしないが、細かな修正は加えられてきたという、不変性と柔軟性があるということだ。前者は、品質は勿論である。だがそれと共に、グランティーたるマイケル・スキナー氏に「テイストは永遠」と言わしめたことを思うと、英国のテイストの基礎となる部分が、根底で確固としていて、それに自信があるからではないか。後者には、変化を許されにくい品も、地味に要所要所で修正がある。これは自らの供給するものが、あくまでも実用品であるという基本姿勢を忘れていないためだろう。2011/06/23
8月のあるぱか
1
日本では既に惜しくも無くなってしまった宮内庁御用達制度に似た、英国王室御用達「ロイヤルワラント」を保持する名店のエピソードを紹介する書籍。職人の手仕事に尊敬を抱くのはイギリスと日本の共通点では。資源のない国だからこそ、人の手による付加価値の大切さを知るのだろうか。2020/09/08
志村真幸
1
英国の王室御用達(ロイヤル・ワラント)について紹介したもの。 エリザベス女王、エディンバラ公、チャールズ皇太子の3人だけが発行でき、新しく加わったり、取り消されたりも頻繁なのだという。その制度と仕組みの厳格さに、まずは驚かされる。 そして、テーラー、靴、帽子、シャツ、ワイン、ウィスキー、香水、革製品、チーズ、銀器、薬局と次々と紹介されていく。 各店の歴史、製品、品質、こだわりなどが落ち着いた口調で解説され、品のある一冊だ。やたらともちあげたりせず、冷静な口調で客観的に書いてあるのに好感が持てる。2020/01/26
コホン
0
「英国王室御用達」を乱発しすぎている感がなきにしもあらずですが、そうすることで今の時代にどうしたって不利な「手作り」という手間をかけたものを守ろうとしているのかもしれません。が、やっぱり、中には「これが?と思うものも。2013/03/31