平凡社新書
マルセル・モースの世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 283p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582855784
  • NDC分類 361.235
  • Cコード C0239

内容説明

レヴィ=ストロースが、ミシェル・レリスが、岡本太郎が師と仰ぎ、バタイユらに影響を与えた「フランス人類学の父」マルセル・モース。消費者協同組合運動に積極的にかかわり、パリ大学に民族学研究所を設立し、デュルケムの社会学を継承した知の巨人。多文化共生の贈与論から「道徳的」な経済学へ、宗教を深く対象化した、その多面的な思想に迫る。

目次

第1部 快活な社会主義人類学者の肖像(民族誌―知の魔法使いとその弟子;社会―モース人類学あるいは幸福への意志)
第2部 起点としてのモース(フィールド―レヴィ=ストロースからさかのぼる―自然・都市・協同組合;文献学―『供犠論』とインド学―もう一人の叔父シルヴァン・レヴィ;呪術―一八九九年のモース―『供犠論』と「社会主義的行動」;宗教―コトバとモノ―モース宗教社会学の基本要素;政治―未完のナシオン論―モースと“生”;経済―交換、所有、生産―『贈与論』と同時代の経済思想;芸術―全体的な芸術は社会事象である―民族音楽学者シェフネル)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

浅香山三郎

18
モースの著作なんて読んだことがないのに、大丈夫だらうかと思つたがどうにか読了。デュルケムの甥であること、岡本太郎との関わり、人類学研究と社会主義の思想との相関など、全く知らなかつたので、たいへん面白く読んだ。2019/11/25

ハチアカデミー

11
『贈与論』で有名なモースの著作が持つ広さを知ることができた。民族学、宗教学としてではなく、社会学者としての側面、またはそう読み解くことの出来る可能性に言及した論文が多かった。岡本太郎、レヴィ=ストロースへの影響から、政治学的側面や、登場したてのジャズと結びつけた論功など、その多様性を知ることができた。この手の論文集を新書として読めるのはありがたい反面、論文集ゆえ前提となるモースの概説やその総括がない点は新書向きではない。とかく本人の著作を読めということですな。ただ、細分化される前の学問の魅力を味わえた。2014/02/13

nranjen

9
『贈与論』はまだ読んでいないが、作者が一人ではない、しかも「モース研究会」!?興味が俄然湧いて、読まずにいられなかった。7人の研究者からなるモース論。それぞれの語り口も違えば、光を当てる角度も違ってとても面白い。浮かび上がってくるモースの姿も多様だ。エミール・デュルケム、シルヴァン・レヴィとの繋がりは外せない。第三共和制という社会の中で理解すべきであろう思考があると同時に、それを貫き、現在にも突き刺さる問いを投げかけてくるからこそ、今モースがあついのだ。図書館本なので返さなければならないのが悔やまれる。2019/12/02

遊動する旧石器人

3
2011年5月13日初版第1刷。2014年に読了していたが、それも忘れて、『国民論』(岩波新書)の読了後に読み始めた1冊。私が知っているモースは「贈与論のモース」と「社会学者(『国民論』)のモース」という二面性があり、それらをつなぐメディアとして本書を利用した。2014年読了時には再読の必要性を記しているが、確かに再読する価値はものすごくあり、自身の中でマルセル・モース像、そしてモースの生きた時代の思想背景などがずいぶん理解できた。現代社会において、モースの再評価の必要性が高いことは歴然としている。2019/01/12

mittsko

3
コンパクトだが非常に中身のつまった一冊! 『贈与論』で有名なマルセル・モースのまさに知の巨人っぷりが(デュルケームとレヴィ=ストロースのつなぎ役をも担った、と云えばより多くの人にもその偉大さが分かろうか) ハンディなこの一冊によく表していただいている 「植民地状況」(この語自体もモースの学統においてもまれたものだ)への言及がもっとあれば インド研究者であるボクはより満足できたろうが それは無いものねだり 勉強させていただきました なお、研究会の記録をこうして新書として出版するというのは スゴイ(゜o゜)2013/06/06

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