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平凡社新書
江戸の本づくし―黄表紙で読む江戸の出版事情

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  • サイズ 新書判/ページ数 244p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582855661
  • NDC分類 913.57
  • Cコード C0221

内容説明

黄表紙『御存商売物』のおはなしは、赤本、黒本、青本、洒落本、柱隠しに一枚絵、吉原細見、咄本…江戸の出版物が人の姿で総登場する、娘かどわかしのてんやわんや。絵の謎を解き、地口やしゃれを十分に味わうとき、草紙が息づく都市江戸の文化が見えてくる。

目次

第1章 上巻―今をときめく浮世絵や戯作の草紙たち、その蔭で上方本の画策にのせられる赤本・黒本(作者北尾政演の口上(一オ)
夢のはじまり(一ウ二オ)
「青本」宅、月並みの「会」(二ウ三オ) ほか)
第2章 中巻―浅草・吉原のにぎわい、一枚摺や芸能関係の草紙たちと旧態を保つ草紙たち、そして悪事の決行(浅草奥山、覗きからくり(六オ)
浅草二十軒茶屋(六ウ七オ)
遊女「錦絵」の座敷(七ウ八オ) ほか)
第3章 下巻―唐詩選・源氏物語など書物の力による秩序回復、草紙と江戸の繁栄、めでたしめでたし(「柱隠し」捜索(一一オ)
乗せられる「一枚絵」、「吉原細見」の男気(一一ウ一二オ)
「一枚絵」殴り込み(一二ウ一三オ) ほか)

著者等紹介

鈴木俊幸[スズキトシユキ]
1956年、北海道生まれ。中央大学大学院博士課程満期退学。現学、中央大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nchiba

5
江戸時代から出版という事業があって、その業界のことをあれこれ書いた本があったというのが面白いし、それらを読む人々が町民層に結構居たというのがなかなかすごいところなのだな。日本人の本を読むということの歴史の長さからすると、今電子書籍で大騒ぎしている事自体が実はかなり滑稽なことで、当時の戯作者なら大いに皮肉っていたのではないかと思えてくるのだ。2011/02/27

多目的トマソン

0
本書は『御存商売物』という黄表紙を絵解きしながら解説したもの。当時(江戸中期)流通していた様々な本を擬人化し、特徴をうまく捉えたキャラたちがすったもんだのひと騒動を巻き起こす。と、これだけでもおもしろそうだが、黄表紙特有のパロディ・内輪ネタが満載で可笑しくもありためにもなる。というか、当時の世相・流行・風俗をここまで熟知している筆者の先生には読みながらつくづく恐れ入る。もちろんこれでもかとネタを詰め込んでくる山東京伝にも。各々の書物・草双紙に対する江戸庶民のイメージが活き活きと伝わってきた。2017/08/06

川島みち@原稿やれ

0
山東京伝『御存商売物』を読み解くだけで江戸の出版事情がわかる本。本当に丁寧に読んで解説を加えるだけでわかる、著者の丁寧な解説とともに、山東京伝の博覧強記さに唸らされる。この本を読んでくずし字勉強しようと思いました!2016/04/02

山がち

0
江戸の出版事情についての本というよりも、単に山東京伝の『御存知商売物』をていねいに読み解いた作品と見たほうがいいように思われる。たった十五丁しかない黄表紙作品を、新書一冊かけて読んでいくのだから、これほどていねいなものはそうそう見られるものではない。冒頭の京伝の服装についてから、各登場人物ならぬ登場作品ジャンルなどへの目の向け方といったら実にすごい。序文の段階から、黄表紙は新春に出るものだというのが分かるが、今までそれを見落としていたのに気づかされるといったことも多かった。ぜひとも他の作品でもして欲しい。2013/11/05

勉誠出版営業部

0
弊社からも『書籍流通史料論 序説』(http://bit.ly/Wdt5E9)という書籍を書いていただいている、鈴木俊幸さんの『江戸の本づくし』を読了。山東京伝の黄表紙『御存商売物』を軸に、江戸の文化を読み解いた一冊。2013/02/13

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