平凡社新書<br> ルポ 出所者の現実

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平凡社新書
ルポ 出所者の現実

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582855579
  • NDC分類 326.56
  • Cコード C0236

内容説明

刑務所出所者による再犯が社会問題化している。『犯罪白書』(平成21年版)によると、一般刑法犯の再犯者率は40パーセント以上。受刑者同士が刑務所内で出所後の犯行を謀議し、凶悪犯罪に結びついたケースもある。彼らの自立更生と再犯防止の有効手段はないのか。出所者と彼らを受け入れる社会、統計では見えないリアルな姿を描く。

目次

第1章 刑務所の現実(全国の刑務所;羽黒刑務所に受刑者を訪ねる ほか)
第2章 再犯防止には何が必要か―マブチモーター社長の「提言」をめぐって(小田島死刑囚はなぜ道を誤ったのか;獄中で共犯者と出会う ほか)
第3章 出所者たちのその後(無銭飲食で詐欺罪に;悪銭で事業に成功した詐欺師 ほか)
第4章 出所者のセーフティ・ネットワーク(福島自立更生促進センター;北九州自立更生促進センター ほか)

著者等紹介

斎藤充功[サイトウミチノリ]
1941年東京生まれ。ノンフィクション作家。東北大学工学部中退後、民間の機械研究所に勤務。その後フリーに。近現代史、犯罪者、刑務所事情といったテーマを中心に取材・執筆活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

75
刑務所の出所者再犯率が40%以上あるという。この本では刑務所の現実、再犯防止には何が必要化、出所たちのその後、出所者のセーフティ・ネットワークに分け構成されている。出所者が完全に更生するための職業訓練や資格取得支援も行っているが社会復帰したときにそれらがほんとうに活かされているか、高齢者の増加、刑務所を維持するための経費の問題も多い。出所たちのその後という章は7名が犯罪を犯した経緯や刑務所での体験談、出所後の生活などが描かれているがいずれも完全な社会復帰は厳しいようだ。図書館本2017/03/13

AICHAN

35
図書館本。出所者の実に40%が再犯に走る。つまり、2.5人につき1人は刑務所に帰ってくる。刑務所内における更生プログラムは貧弱。職業訓練も少数しか受けられず、またできたとしても数年で出所するのであれば技術が身につかない。その労働の報酬がいかにも少ない。従って出所したときの元受刑者の懐は寒い。出所後行くところのない人の幾人かは更生保護施設でしばらく暮らすしかないが、前科のある者の就職は困難であり、不況でもあって困難さはいや増している。再犯を防ぐには、出所者の社会復帰に向けた中間施設が必要だと著者は訴える。2017/03/27

やすらぎ🍀

19
感想を書かずに手放すことにしました✨2020/09/10

kotte

15
犯罪を犯した人を恐れる心情は理解できますが、刑を終え、法的に刑を償ったといえる出所者に対して社会は極めて厳しい視線を向けています。また、収監者及び出所者に対する処遇を向上させるためには税金を使う必要がありますが、それに対する世論も厳しいものがあります。出所者の再犯は大きな社会的コストであることを認識し、罪を犯した人であっても社会の一員として生活ができる環境を構築していく必要性を感じます。2017/03/18

🍭

7
図書館本。犯罪者になると人権がガリっと減るの、旧時代的といえばそうなのでは?せめて作業報奨金を最低賃金の3/4〜1/3程度に設定すれば住居を借りて社会的地盤を作ることに着手しやすくなるのではないかと思う。犯罪者の社会復帰は地域・公共の課題であって、篤志家頼りというのはどうなのだろうか。パイをわけるように(選択的)援助をするよりも、困窮者が「地盤を失った」と感じさせないことが再犯防止には有効だと思う。かつてブラックジョークになってたような高齢者の軽犯罪の増加→刑務所の社会福祉化(介護施設化)は止まらなさそう2023/07/21

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