平凡社新書<br> 昭和史の深層―15の争点から読み解く

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平凡社新書
昭和史の深層―15の争点から読み解く

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  • サイズ 新書判/ページ数 278p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582855258
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0221

内容説明

昭和三十年代の「昭和史論争」を初め、これまで、昭和史をめぐっては様々な論争が繰り広げられてきた。今日でも、国を超えた歴史共同研究が進む一方、個別のテーマに関して、依然として対立点が存在する。これまでの論争は果たして本質的なものであっただろうか?15のテーマに関して、史実を整理し、より本質的な問題点を提示する。

目次

満州事変前後の国家改造運動
二・二六事件と新統制派
日中戦争と「現地解決・不拡大」
南京事件―戦場における残虐行為とは
太平洋戦争とその歴史的本質
毒ガス・原爆・大量殺りく兵器を許した論理
北方四島、北海道占領をめぐるドラマ
「敗戦」と向き合うということ
東京裁判が真に問うていること
占領期に見る宰相の資質
占領は解放か。それとっも抑圧か
強制連行の実態を考える
沖縄県の本質を見つめる
慰安婦問題に見る「戦場と性」
昭和天皇の歴史的役割を分析する

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年12月北海道生まれ。ノンフィクション作家、評論家。2004年、個人誌『昭和史講座』の刊行など一連の昭和史研究で菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

M.O.

15
15のテーマで戦争前後を論じている。 ・昭和天皇は戦後軍人の本音、欺かれていた事を資料で具体的に確認していたようであるとのこと。想像するだけで苦しくなる。A級戦犯を合祀した靖国神社に参拝しない訳である。 ・ソ連は北海道制圧に動こうとしたがアメリカに拒否され、代わりに北方四島を制圧下に置き捕虜をシベリア連行し使役に用いたと言う資料があるらしい? 北方四島制圧をアメリカも認めているので返還に支援表明をしない訳だ。北海道が制圧されていたら共産化しただろうし想像するだけでも恐ろしい。2023/10/24

佐島楓

13
真実は、体験した人の中にしかなく、それさえも時代と共に変質していってしまうものだとも感じた。戦中戦後をこういった媒体でしか知ることのできない世代なので、なんともやるせない、むなしく悲しい気持ちになる。大事なのは、どこまで自分の意見を持てるようになるか。いかに受け止めて消化するか。繰り返したくないし繰り返すようなことがあってはならない。2012/04/29

Humbaba

4
歴史において,事実はひとつかも知れないが,真実は複数ある.だからといって,何でもかんでも真実にしてよいわけではない.何が真実であるかを議論するためにも,持っている情報を集めて,整理することは必ず必要になってくる.2011/03/15

おらひらお

3
2010年初版。日本の近代化の行きつく先が1945年の敗戦という解釈は少し悲しいですが的を得ているのかもしれません。あと、沖縄戦にアイヌの兵士が参加していたことを初めて知りました。2017/04/06

CTC

3
現在(10年初版)論争点となっている昭和史上の15の事象が書き出される。1点。A級戦犯合祀について。昭和帝は「私は靖国には行かない。松平は何を考えているのか」との怒りの言を確かに残し、実はこの事は富田メモだけでなく徳川侍従長の記録でも確認できる、と。東京裁判で絞首刑となった者は戦争犠牲者だ、とする考え方は、講和発効迄が戦争状態であった、とする解釈からしか生まれえない。とすれば占領下内閣などアメリカの傀儡である事になり、国民への裏切りを意味する事になる。昭和帝がこの考えを受け入れられなかったのは当然だろう。2014/10/10

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