内容説明
「アメリカとは何か」。この巨大な謎に立ち向かうことは、日本を考えることであり、自分自身を考えることだ。生まれる前から「反米愛国」少年だった著者が、「鬼畜米英」「ウエルカム・アメリカ」の過去から、田母神論文でも話題となったルーズベルトの陰謀説、核武装論まで、愛国派はアメリカをどう見てきたかを検討する。従属でも、感情的な反撥でも、無視でもなく、今、“闘う”覚悟を持って超大国と向き合おう。
目次
第1章 「鬼」はどこにいたのか―「鬼畜米英」の描かれ方
第2章 米兵捕虜を殺した人たち―『私は貝になりたい』と『明日への遺言』
第3章 天皇はなぜアメリカとの戦争を認めたのか
第4章 ナチスの「思想戦争」に篭絡された日本
第5章 日米戦争に反対した右翼・赤尾敏
第6章 日本はアメリカの謀略で戦争をしたのか―田母神論文と靖国神社
第7章 六〇年安保とケネディ大統領
第8章 六〇年代アメリカへの夢と反撥―僕らのアメリカ観を変えたもの
第9章 八〇年代からオバマに至る日米関係
著者等紹介
鈴木邦男[スズキクニオ]
1943年福島県生まれ。著述家。早稲田大学政治経済学部卒業。72年に新右翼団体・一水会を設立。99年に同会代表を辞し顧問に。東京都中野区在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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李孟鑑
4
太平洋戦争は現実の存在しない幻想の戦争だったと、鈴木氏は指摘します。「鬼畜米」と戦っていた日本人のほとんどは、アメリカについて何も知りませんでした。軍部は国民が総玉砕しても日本は残ると豪語し、現人神だったはずの昭和天皇は、暗殺を恐れて戦争に反対できませんでした。つまり、幻想の天皇の下、幻想の日本を守るために幻想の米国と戦争したのだという分析は鋭いです。生きた世界を見ず、幻想だけを糧に培養された思想は過激化します。……(続く)2016/02/29
guutei
2
「自分を否定する人をも護る。それが自衛隊だ。反日的な人は許せないだろう。しかし、その人をも含めたこの「日本」を護るのが自衛隊だ」。鈴木邦男2010/01/25
i-miya
2
副題:日本人はアメリカを愛せるのか。 P007 はじめに 第2章 米兵捕虜を殺した人たち//『私は貝になりたい』と『明日への遺言』オランダ潜水艦の乗組員1941.12。 P034 -国民皆兵下での兵士としての教育//-大江健三郎『飼育』1958に描かれた民間人の意識//-『私は貝になりたい』とB・C級戦犯//上官の命令で捕虜を殺し、絞首刑になった。 -『私は貝になりたい』で感じたこと//中学2年まで秋田県湯沢中学校、中学3年は仙台の中学。 -捕虜虐待を止める人はいなかったのか//2009/10/07
うさえ
2
米国との関係を軸にふりかえる昭和、平成史。著者の体験をまじえながら書かれており、読みやすい。読後、右翼のイメージがずいぶん変わりました2009/09/30
最終バック九番手
2
なんかアメリカのことを気にし過ぎって感じ…向こうはこっちほど気にしてないと思うし…右の人も左の人も間違えたなと思ったら素直にゴメンナサイをすればクダラン揉め事でお互いに消耗しなくて済むのに、どうしてこんな幼稚園レベルのことが出来ないのだろうか…初版第1刷:2009年6月15日…本体760円2009/07/11