平凡社新書
ロスジェネはこう生きてきた

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582854657
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0236

内容説明

派遣切り、ワーキングプア、いじめ、自傷、自殺…。こんなに若者たちが「生きづらい」時代があっただろうか。ロスジェネ=就職氷河期世代に属する著者が、生い立ちから現在までの軌跡と社会の動きを重ね合わせ、この息苦しさの根源に迫った書き下ろし力作。ロスジェネは何を思い、何を望んでいるのか?若者だけではなく全世代、必読の書。

目次

第1章 一九七五年生まれの生い立ち―豊かな日本と「学校」という地獄
第2章 バンギャとして生きた高校時代―野宿と物乞いとリストカットで終わった「バブル」
第3章 一九九五年ショック―『完全自殺マニュアル』からオウム事件へ
第4章 バブル崩壊と右傾化―小林よしのりと「日本人の誇り」
第5章 「生きづらさの時代」―世紀末から二一世紀の日本へ
第6章 ロスジェネが声を上げはじめた―二〇〇五年から現在、そして

著者等紹介

雨宮処凛[アマミヤカリン]
1975年北海道生まれ。作家。2000年に自伝『生き地獄天国』(太田出版、現ちくま文庫)で作家デビュー。『生きさせろ!―難民化する若者たち』(太田出版)で日本ジャーナリスト会議賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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白義

7
雨宮処凛の自伝なのだけど、思想史や社会史の重要トピックも並行して見通しよく語られており、整理された印象と力強い熱気を兼ね備えている。ネトウヨ、貧困や生きづらさといった現代のトピックに対して本質的なヒントがあり、想像力を鍛えられる名著だ。未だ本書で指摘される問題の多くは解決されておらず、ロストジェネレーションは拡大し続けているが、それに対抗する社会運動の活躍やネットワークも紹介していて自然と晴れやかな読後感もあった2012/06/25

ダンボー1号

6
自殺に関する記述多いが くしくも昨年22年ぶりに少ない。景気悪くて仕事なくてという理由だろうが・・・外国と比べるとまだ多い。平和で治安良く失業率低く 気候もいいのになぜだろう??いかん気になりだした。2017/02/05

yozora

3
個々人の生きづらさが背後に潜んだ社会構造と結びついてる、ということが徐々に明らかになっていく様を表している。自分は平成生まれなので、当時の雰囲気をつかむために読んだ。不安定な現状に耐えかねた人々が、2004年頃からイベントやデモやらを大々的に起こし始め、それが全国にも広がり社会運動化したのはいいと思う。しかしそれは理念ありきのことなのかが気になった。「生きづらい」と叫ぶだけで世界は変わるのだろうか。それともまだ今は現状を認識させる段階なのだろうか。それにしても「練炭を買う金がないぞ!」は良いセンスしてる。2012/08/28

壱萬弐仟縁

3
2000万人という年齢層ができている彼ら。評者も若干ダブル感じで、好意を寄せている方も著者と同世代で、ほっとけなかった。著者の成長過程を時代背景とともに考察すれば、上のバブル世代とはかなり離れるし、かといって、下のゆとり世代とはまた離れる。つまり、上からも下からも矛盾が推しつけられた感じが強い。高学歴ワーキングプアの当事者である評者からしても、共感できる部分は多い。この層で不遇な方との連帯を、と思った。2012/05/22

シロクマとーちゃん

2
著者の赤裸々な個人史がつづられている。「生きづらさ」という感じがよくわかった。ロスジェネ世代には、いじめをうけたり、正規雇用されなかったことによって、社会からの疎外感を強烈に感じている人々がいる。「自己責任」ということばによって、社会的落伍者という意識を植え付けられ、自分が生きる価値を見出せず、自傷行為や自殺に走るしか逃げ道がない人々。著者は新右翼活動にのめり込んでいくことで、「生きづらさ」の責任は自らにあるのではなく、社会にあるのだという発想の転換に成功する。そのエネルギーは同世代に伝播しつつある。2014/08/22

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