平凡社新書
イブン・バットゥータの世界大旅行―14世紀イスラームの時空を生きる

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  • サイズ 新書判/ページ数 299p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582851991
  • NDC分類 292.09
  • Cコード C0223

内容説明

モンゴルがユーラシア大陸を席巻していた十四世紀。広大なイスラーム世界と、隣接するアジア・アフリカを生涯かけて旅してまわった男がいた。その長大な記録『大旅行記』の日本語完訳者が、イブン・バットゥータの旅の全容をたどり、そこから浮かびあがる、かつての世界システムの姿を描き出す。移動・交通・交易の活気、多文化混淆の豊穣さ。波瀾万丈の旅から「近代以前」の世界がみえてくる。

目次

イスラームと旅・移動
拡大する一三・一四世紀のイスラーム世界
『大旅行記』という書物
イブン・バットゥータの旅(タンジールからメッカまで;中東世界からキプチャク大平原へ;中央アジアとインド;東南アジアと中国;アンダルスとブラック・アフリカ)
イブン・バットゥータの旅の虚像と実像

著者等紹介

家島彦一[ヤジマヒコイチ]
1939年東京生まれ。慶応義塾大学大学院修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。現在、早稲田大学教育学研究科特任教授。文学博士。専攻はイスラーム史、東西交渉史
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるわか

24
14世紀の前半、イブン・バットゥータは21から50歳まで30年間、西欧キリスト教世界を除く旧大陸のほぼ全域を踏破した。ジブラルタル海峡に面したモロッコ、タンジール生まれ。イスラム世界には彼だけでなく他者との交流を求めて移動遍歴する多くの人々がいて、同時に、旅人を受け入れる柔軟なイスラム社会と情報・文化ネットワークがあった。モンゴルの衝撃とディアスポラ(人間拡散)。マムルーク朝経済圏の拡大。国際間に生きるカーリミー(イスラム商人)。つなぎの場としてのインド洋と地中海。2017/11/02

Christena

5
イブン・バットゥータの『大旅行記』を読む前の予習として。その本の翻訳者が書いた本ということで、現地を調査した時の写真が多く掲載されていて、旅行記の概略や、フィクションと思われる行程、現地の雰囲気などが分かりやすくまとめられた本だと思う。2014/04/09

チエコ

2
バットゥータの旅は神の本質に近付くためのものだったという。2018/02/09

サアベドラ

2
イスラームと中国が下地を作り、13世紀にモンゴルが統一したユーラシア世界。モンゴルのイスラーム化でますます爛熟を極める14世紀のユーラシアをベルベル出身の大旅行家イブン・バットゥータの記録をもとに巡る。当時の国際語はアラビア語で、これさえしゃべれればユーラシアのどこへ行ってもどうにかなったという。著者の家島先生はとても人のよさそうな、快活な方でした。授業中よく寝ててすいませんでした。2008/09/16

左近

1
以前、家族が「最近、モロッコに興味があって」と言ったのを聞き、時々愛読している(変な日本語)エリア・スタディーズ(明石書店から出ているシリーズ)を読んでみたところ、イブン・バットゥータがモロッコ出身だと知った。14世紀に旅行記を残した人、くらいのイメージしか無かったが、約30年間にわたって、これほど広大な地域を巡っただけでなく、途中で現地の政治に携わり、クーデターを企んだこともあったとは!長らく西欧キリスト教文明史観が続いてきたけど、今後は、イスラム世界の果たした役割が改めて評価されていくんでしょうね。2024/01/25

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