• ポイントキャンペーン

平凡社選書
江戸の読書会―会読の思想史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 391p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582842326
  • NDC分類 372.1
  • Cコード C0010

出版社内容情報

読書会は江戸の儒学塾で始まった。幕末の横議横行する精神を、明治の政治的公共性を準備したのは、身分制社会の中のこの平等で相互的な議論の場=会読だった。全く新鮮な政治思想史。

内容説明

仁斎・徂徠のもとで始まり全国に広がった読書会=会読は、身分制社会のなかではきわめて特別な、対等で自由なディベイトの場だった。その経験とそこで培われた精神が、横議横行する志士たちを、近代国家を成り立たせる政治的公共性を準備した。思想史の傑作。

目次

第1章 会読の形態と原理
第2章 会読の創始
第3章 蘭学と国学
第4章 藩校と私塾
第5章 会読の変貌
第6章 会読の終焉

著者等紹介

前田勉[マエダツトム]
1956年、埼玉県生まれ。東北大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、愛知教育大学教授。博士(文学)。専攻、日本思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

166
むかしは、本が少なかったこともあり会読ということでさまざまな資料などを持ち寄って勉強していたようですね。「解体新書」もここに入っていてなかなか興味深いことが書かれています。読書会というよりも勉強会、ある意味大学での1冊の本を読んでのゼミナールのような感じを受けました。このような本を読むと日本人というのは結構勉強家というか好奇心がかなり旺盛であまり実務的でない教養的なことにも興味を持っていたということなのでしょう。2016/09/26

Willie the Wildcat

59
教育学・政治学・社会学など、様々な観点での振り返り。特に明治維新を境にした学習の価値観の転機が印象的。立身出世と競争。競争も優劣ではなく、真理の解明。”遊び”に垣間見る自主性と本気度。手段と目的の混同が、「詰め込み主義」という現代の悪癖になった印象。興味深いのが『党』の謂れ。故の政”党”か・・・。皮肉すぎて笑えないなぁ。一方、対照的な『読メ』。(あくまで私見だが)立身出世もなければ競争もなく、読書好きのコミュニティ。感想やつぶやきも、そこに学びを感じることからも、会読の一種だと感じる。感謝です。2016/08/18

壱萬弐仟縁

26
会読は江戸の伊藤仁斎、荻生徂徠の下、 儒学学習で私塾や藩校でも採用された(裏表紙)。 明治10(1877)年代には、ありふれていたが、 会読は終焉を迎えつつあったようだ(359頁)。 演説会の陰に隠れて存在すら忘れ去られてしまっている。 そこに目を付けたのがわたしの読書会でもある。 もともとは儒学の経書を読むものだったという(13頁)。 福沢諭吉は、『春秋左氏伝』は11度も通読したと豪語(31頁)。 読書会読の場は、実力で勝負できる格好の機会であったようだ(32頁)。 2014/04/13

軍縮地球市民shinshin

12
やっと読み終わった。専門書ではないだろうが、原史料からの原文引用が結構あり、誰を読者層にしているのかわからないのが平凡社選書(笑)江戸期の武士が行っていた「会読」。自由闊達な議論が生まれ、知識を増やす基となっていたが、江戸期は学問と立身出世が別だったため、一種の「知的遊戯」な感じだったという。それが明治になって学問が立身出世の一手段になると、現在の講義形式と暗記が主になり、「会読」は教育の表舞台から姿を消した…という噺。2017/01/25

イボンヌ

10
江戸時代から読書会的なものがあり、自主的に勉強する集まりがあったのは驚きです。2017/12/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5470444
  • ご注意事項