出版社内容情報
川上弘美の人気日記シリーズ、待望の最新作! 東日本大震災、引っ越し、入院、手術……。2010年~2013年は、ほんとうに、いろいろなことがありました。カワカミ・ワールドのエッセンス。
内容説明
震災、引っ越し、入院、手術…。二〇一〇年から二〇一三年にかけて、ほんとうに、いろいろなことがあった。「ぼやぼやと生きる日々の記録」。人気日記シリーズ、第四巻!
目次
十七回め。
アフターデス。
無駄なのでございます。
聞き耳をたてる。
おかあさん、ニューヨークなの。
うふびたにさん。
精神的DVD。
経費節減。
必要性なし。
すべて空白。〔ほか〕
著者等紹介
川上弘美[カワカミヒロミ]
作家。1958年、東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
257
『東京日記』の最新刊だが、今回はやや不調。最近はシリアスな路線で小説を書いているので、「うそばなし」の呼吸が鈍ったか。一度だと面白くない現象も、二度、三度繰り返されると笑いを生じさせるものだか、今回はこの手法に頼り過ぎだ。かなぶんの話題、コウモリの話題、外国旅行の話題などはいずれもこれ。終盤の「ウナギイヌ」あたりからは、盛り返してくるのだが。このシリーズの魅力は、思いがけない発想の飛躍にこそあるのだし、そこに彼女独特のオトボケ感が加わってこそなのだ。2014/11/06
ちょろんこ*勉強のため休止中
225
他者不在な印象。この日記は基本的には川上さん一人対”世界”である。他人は出てくるが、人間としての存在感が希薄に感じられた。興味深い対象物、という感じ。自身で友達が少ない、と書いているが友達が必要のない、一人で自己完結して過ごせるタイプの人なのだろう。どこか異形の世界のようなところもあり、とんちんかんなやりとりもあったりして吹き出したことも。日常生活の切り取り方に一定感がなかったので、不思議で魅力的な場所に行って帰ってきたみたいな後味。川上のさんのペースに巻き込まれ、心地よい疲れと読後感を感じた。2014/07/08
hiro
133
川上弘美さんの本を読んでいるのは、芥川賞受賞作の『蛇を踏む』だけだったが、『不良になりました。』という題名にひかれて、この本を図書館で借りることにした。女性が電車の中で黒革のカヴァーの文庫本を読んでいるシーンの描写がすばらしいので、さすが芥川賞作家だと関心して読んでいたが、川上さんが何を読んでいるかとのぞいてみると、『部長 島耕作』だったとか、クスッと笑わせてくれるところが満載の日記だった。また『東京日記シリーズ』と、代表作の『神様』、『センセイの鞄』あたりの作品を読んでみようと思う。2014/06/22
めしいらず
83
シリーズ第4弾。肩の力が抜け切ったような語り口は日記形式だからかな。カワカミさんの周囲で巻き起こるウソみたいなホント(?)の話(たぶん...)。いつもの深い余韻はないけれど、行間から滲み出るユーモアに乗せられて、終始、ニマニマ、クスクス。「川上弘美」に興味はあるけど何となく躊躇っているって方も、このシリーズならすんなり著者に馴染めるかも♪2014/03/09
りえこ
82
このシリーズ、大好きです。今回も面白かった。表紙や文字の並び方や挿し絵や、全てが好みです。前の日記より、私の周りにもありそうな内容になっていました。2014/08/01