内容説明
プロダクト・デザインのパイオニア柳宗理が88歳を迎えて刊行する、初のエッセイ選集。デザイナーの「服」と「手」がこの一冊に。
目次
デザインとは何か
デザインが生まれる瞬間
新しい工芸・生きている工芸
日本のかたち・世界のかたち
民芸とモダンデザイン
柳工業デザイン研究会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pippo_3520
4
父親の思想を誰よりも理解し、工藝がいかなるものか、デザインの本質とはなんなのかをストイックに見つめる著者の視線が感じられ、とても面白い。厳しい「~ねばならない」口調が印象的だが、同時に子供が作った母親の裸体型クッキー等というものまでわざわざ写真入りで載せているあたり、彼の自由で縛られない感性がとても素敵だ。2011/01/29
こじゅんの
1
まっすぐ、作ってるものと思想がここまで一貫してる人はなかなかいないヨナーとおもいながら、デザイン観を揺さぶられる本。もっかいよもう2011/07/13
y_yasuda
0
柳先生の言葉は非常に示唆に富んでいる。シンプルであること、用に即した美、合理的であること、それぞれが異なっていることに気づかされた。また、自分の手を使って試行錯誤することを惜しまなかった姿勢と、そのためにむやにやたらと仕事を受けない精神ゆえに、あのようなすばらしいモノが作られたのだと思う。2013/05/13
とりもり
0
柳宗理デザインの根幹は、「用即美」にあることがよく分かった。「用に即した」、即ち機能性を追求すれば、必然的にデザインはシンプルな美しいものになる。そうすれば、コストも下がり、万人が使えるようになる。これが、柳宗理のデザイン哲学だと、素人ながらに感じ取った。機能てんこ盛りの日本の家電メーカーの総崩れと、対象的なアップルのシンプルなものづくりの快進撃を見るにつけ、ものづくりに関わる人々(いや、日本人全員か)は、この思想をもう一度よく噛み締める必要があるのではないか。良書。★★★★★2012/07/15
ジュースの素
0
日本に於けるデザイン、かつては欧米の模倣に近かった。特に橋のデザインは無視されていたらしい。地震国だからデザインよりも耐久性と聞いた事あるけど。 ラダックに惹かれて旅ををする話は興味深い。いろいろに驚いている。2022/07/09