煤の中のマリア―島原・椎葉・不知火紀行

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582829471
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0093

内容説明

「石牟礼道子」を育てた歴史と風土とひと。その残像に今を重ねてたどる鎮魂の記。

目次

第1章 草の道―島原の乱紀行(天草・東向寺;草の道;ちちははこひし;それぞれの旅 ほか)
第2章 湖底の村―人吉・椎葉紀行(湖底の声;声音;土の創世記;墓の下の団欒 ほか)
第3章 不知火追憶(ごん太の浄瑠璃;柳の川;ご飯のお碗;蟻の飴 ほか)

著者等紹介

石牟礼道子[イシムレミチコ]
1927年、熊本県天草生まれ。作家。近年の著書に『蝉和郎』(1996年葦書房)、『形見の声―母層としての風土』(1996年筑摩書房)、『天湖』(1997年毎日新聞社)、『水はみどろの宮』(1997年、平凡社)、『アニマの鳥』(1999年筑摩書房)、『潮の呼ぶ声』(2000年毎日新聞社)などがある
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感想・レビュー

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勝浩1958

11
彼女の作品を読むたびに、どこか懐かしいまだまだ自然は豊かで人の情けも細やかさが残る日本の良かったころが偲ばれます。 第3章『不知火追憶』の「ごん太の浄瑠璃」に描かれた石牟礼女史の父親のなんと優しい心根のことか。昔はみんな貧しかったでありましょうが、今よりもはるかに濃密な生を生きていたように想います。2016/01/10

のうみそしる

2
人々の失われた豊かな感覚を厳しくも丁寧に呼び起こすような筆致。植物や神社仏閣に関する語、庶民の道具や漁民の仕事に関する語句などなど知らない言葉ばかり。コンクリートに覆われてしまってそれが当たり前になっているんだ、とまざまざと感じた。だからむき出しの自然が見たくなる。「柳の川」が胸に残った。「凝固しそうな歳月の、分厚い蓋を押し開ける気持ちで、わたしは自分の洗濯川をさらえ、あの柳の木を心に植え替える。今よりはやわらかい感官で生きていた人々の声を聴き直すために。」2022/01/13

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