出版社内容情報
なぜ人々はモノを買わなくなったのか? 物欲が低下する先進国のトレンドから、資本主義の先の来るべき世界を浮かび上がらせる。
目次
まえがき 欲しいものがない世界の時代精神を探して 007
1. 「生き方」が最後の商品となった 011
ライフスタイルを売る時代/ライフスタイル・マガジンの勃興/コンピュータから離れた大事なことを伝える/
生き残りを賭けたライフスタイル路線/既存の雑誌もライフスタイル化する/
ファッションへのこだわりが食や雑貨に向けられる時代/ファッション誌はもはや一般誌ではない/
流通のライフスタイル化/ライフスタイル・ショップは都市生活者の日常を変える/装飾的なラグジュアリーの終焉/
ショップは目利きとしての機能を求められる/ライフスタイルは切り売りするものではない/
ビームス設楽代表が語るライフスタイル・ビジネス/服よりも生活に興味/商品ではなくコミュニティを売る/
若い世代の物欲のなさはある種の賢さ/日本の加工貿易的な??コク?≠ニ??キレ?=^
夢中な人々が集まるコミュニティ・ブランドへ/三越伊勢丹大西社長が語る百貨店の未来/
今までのやり方では生き残れなくなった百貨店/ライフスタイル・ショップの限界/
洋服の文化を育てていくことの重要さ/ファッションの見えない価値
2. ふたつの超大国の物欲の行方 055
ライフスタイル先進都市、ポートランドの魅力と問題/消費リテラシーが高い街/
ビジネスにも受け継がれる独立思考のDNA/ポートランド的なものが持つグローバルな普遍性/
快適すぎるポートランドの問題点/ダウンシフターという新たな消費者像/アリババ上場が示す中国市場の消費熱/
危険水域まで達した都市と農村の格差/中国のライフスタイル格差を写す写真家/
インターネットの普及がブランド熱を煽る/社会発展の過渡期としての「物欲」/
変貌する上海の新しい価値観/コモディティ化から愛情のある消費へ/中国の消費感のギャップは大きくない/
中国が欧米ブランドを支えている現実/中国のロハス層は数パーセントでも巨大な市場に/
上海のファッション人種も「服よりライフスタイル」/巨大な船の舵の切り方
3. モノとの新しい関係 087
ラブルックリンのカスタムメイド店主の思想/大量生産の始まりは衣服から/ミシンが一九世紀に果たした役割/
3Dプリンターという現在のミシン/カスタマイゼーションの大きな波/eコマースの民主化/
人間は規格品じゃない/自分で作ることを取り戻す場所としてのファブラボ/デジタル工作機械による家内制機械工業/
服のリサイクル団体による思い入れの復権/深澤直人の壁と人の間/世界は脱物物質化する/モノからコトと人へ
4. 共有を前提とした社会の到来 113
拡大し続けるシェアリング・エコノミー/シェア住居の広がり/なぜいまシェア住居なのか/
カー・シェアリングの広がり/インターネットがコラボ消費を生んだ/海外の見知らぬ人の家に泊まるシェアリング・サービス/
子育てをシェアするという試み/子育てをシェアする住居/オーガニック多世代シェア住居/
NPOがつくる新たな子育てコミュニティ/シェアリングによるコミュニティ再生/
欲しがらない若者の新たな欲望/所有欲はオタクの証明にならない/物欲は代替物/内閣府も認めるシェアへの潮流
5. 幸福はお金で買えるか? 145
ふたつのお金を巡る歌/ウォール街のお金中毒者の改心/ユニクロ新卒採用代表がオーガニック食材屋を始めた理由/
世界に影響を与えるには理想のある中途半端をやるしかない/慶應大学牛島利明が語る自己実現と経済的自立の両立/
日本の成熟なき衰退/モダン農家のライフスタイル雑誌/スタンフォード卒の女性農家が持つ希望/
ポートランドのフードコープの理念/お金の定義を再考する/お金はモノではなく信用のシステム/
貨幣という謎が浮かび上がらせるもの/電子情報としてのお金の進化/電子マネーの信用性/
アップルとグーグルの電子決済/仮想通貨ビットコインの革命性/銀行とビットコインが握手する道/
お金に人の感情がダイレクトに反映される未来/企業や個人がお金を発行する未来/
なめらかな社会を実現する変動するお金/幸せを科学する/物欲が強いと幸せにならない/
豊かで貧しい社会の到来/「消費をやめる」という生き方/「プレニテュード」という新しい豊かさ/
時間的貧困化から抜け出す方法/世界の幸福度調査から見える日本の非幸福度/
資本主義のセントラルドグマが信じられなくなるとき
6. 資本主義の先にある幸福へ 209
資本主義が最もホットなトピックとなった/『21世紀の資本』が示す資本主義の危機/
先進国のゼロ成長が意味するもの/資本主義の再定義/資本主義と民主主義の両立を破壊するもの/
資本主義の賞味期限/ウォルマートの極端な格差/中間層が没落すると消費ブームが戻らない/
経済の時代の終焉/脱成長という思想/定常型社会の可能性/アメリカからの定常経済への提言/
定常経済の元祖ミルの予言/経済の成熟とは何か?/アップルもスターバックスも税金から逃れる/
巨大企業に対抗する世界国家の構想/超資本主義から超民主主義へ/『セックス・アンド・ザ・シティ』という昔話/
モノが幸福のシンボルではなくなる時代へ/日本の逆説的な優位性/酒の代金はロッタへのキス/
果たして自分は何が欲しいのか?
あとがき 経済の問題が終わった後に 249
内容説明
欲しいモノがなくなると、世界はこんなに変わる。
目次
1 「生き方」が最後の商品となった
2 ふたつの超大国の物欲の行方
3 モノとの新しい関係
4 共有を前提とした社会の到来
5 幸福はお金で買えるか?
6 資本主義の先にある幸福へ
著者等紹介
菅付雅信[スガツケマサノブ]
編集者、グーテンベルクオーケストラ代表取締役。1964年宮崎県宮崎市生まれ。法政大学経済学部中退。『月刊カドカワ』『カット』『エスクァイア日本版』編集部を経て独立。『コンポジット』『インビテーション』『エココロ』の編集長も務め、出版からウェブ、広告、CIまでを編集し、企業のプランニングも行う。下北沢B&Bにて「編集スパルタ塾」を開講中。多摩美術大学非常勤講師として「コミュニケーションデザイン論」を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
テツ
デビっちん
犬こ
デビっちん