内容説明
イザベラ・バードの明治11年(1878)日本への旅の真実がありありとわかる決定版。正確な翻訳と緻密な研究による徹底した注で読む。第2巻は、新潟、山形、秋田、青森を旅ゆく。
目次
新潟における伝道覚書
仏教
新潟
店屋
粗悪品
食べ物と料理に関する覚書
苦痛の種
繁栄する地方
日本人の医者
恐ろしい病気〔ほか〕
著者等紹介
金坂清則[カナサカキヨノリ]
1947年富山県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。京都大学名誉教授。イザベラ・バードに関する研究と写真展等の活動により、王立スコットランド地理学協会名誉会員他。専攻は人文地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
131
この巻は新潟から山形、秋田と青森までの紀行です。注がかなりこの完訳では多く頁の半分近くを占めています。私は通読をして本当にわからないものだけを注で確認して、あとは最後に注だけを通読しています。その方が臨場感を感じます。日本人の祭礼や婚礼などかなり地方の風俗を活写しています。またひどい食事や怖い病気などについても詳細に書かれていて昔の田舎を紀行するのはかなり大変であったことがよくわかります。2016/08/13
きいち
35
ついに函館だ!!豪雨に振り込められた秋田~青森を乗り越えたおかげか、それとも本文以上のボリュームを誇る訳注を並行して読んでいたからか、読み進めること自体に妙な達成感が…(笑)。◇豪雨はハンパない。目の前での土砂崩れや橋の崩壊、駄馬からの落馬。よくもまあ。そういえば菅江真澄の紀行でもこの地域はそうだったか。◇バードが称賛する自然は、人の手が丁寧に入った「自然」。耕作ぶりだけではなく、学校に病院、お墓にお祭り、暮らしの丁寧さに対する感覚と観察眼はさすが。◇2巻も訳注は大充実、ほんとうに、この訳注あっての理解。2017/03/30
Tadashi_N
32
新潟から山形、秋田を通って青森までの旅程。大曲で日食を観測したらしい。注釈充実している。2018/07/17
壱萬弐仟縁
19
行商人[貸本屋]や田舎町に 本を卸す大きな書籍商も複数ある(48頁)。 書物の値段は驚くほど安い(50頁)。 一番売れているのは『種の起源』。 小さな村でもほとんどに駄菓子屋 がある(62頁)。 甘納豆、羊羹、カステイラ (カスティーリャの訛り)。 彼女は体調を崩し、激痛と高熱に 見舞われたが、その治療する医者が いたく感謝して、 「ほとほと困った」という(107頁)。 刺されたりかまれたり、痛みと熱が あったようだ。 伊藤という通訳の一長一短(149頁~)。 2014/05/30
ソババッケ
6
明治11年(1878年)5月~12月間に、日本各地を旅行した英国女性旅行家のイザベラ・バードが著わした、「日本奥地紀行」の新潟~青森編。例によって蚤と蚊に悩まされながら、東北の旅は続く。なにせ西洋人など一度も見たことの無い地方であるがゆえに、大きな町では何百人も見物に集まるし、宿ではきまって障子の穴から覗かれる。今回はちょっと悲惨、雀蜂にさされ発熱して寝込んだり、後半では背中が痛み出し、満足に進めなくなった。また、青森県碇ケ関では集中豪雨による河川の氾濫で粗末な宿に3日も閉じ込められている。★3.8 2014/08/08