内容説明
アラビアン・ナイト原典版の訳者として名高い泰斗の著作を精選し、主題別に全4巻に集成する。本巻はアラビアン・ナイトをめぐる論考と中東イスラム文化の諸相を論じた作品を収める。
目次
1 千夜一夜物語の世界(アラビアン=ナイトの誕生;宗教と非宗教―『千夜一夜』;アラビアン・ナイトの世界―カリフたちを中心に;アラビアンナイトの女たち;千夜一夜物語の世界―バグダードの都市風俗 ほか)
2 中東イスラム文化の彩り(イスラム文化と東西交渉;イスラムの学問;イスラムの科学と技術;中世イスラム世界の時計台―ジュバイルとジャザリーの機械の書;タシケントと宝石 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドウ
3
日本の高名な東洋学者の論考集。まだ本格的には千夜一夜物語が紹介されていない頃ゆえか、粗筋や欧米の東洋学の研究成果を紹介する論考が多い。文体がレトロで格調高く、面白かった。詩の訳が微妙なことと、最近「イスラーム世界」論を読んだためにイスラム都市に関する論考とその質疑応答が印象に残った。2016/10/10
Tonex
2
平凡社東洋文庫『アラビアン・ナイト』の翻訳を手掛け、訳業半ばにして逝去した前嶋信次の文章を集めた著作集。千夜一夜物語の成立や内容に関するもの7篇、ヨーロッパ語への翻訳に関するもの2篇、中東イスラム文化(学術、文学、都市)に関するもの11篇を収録。/杉田英明による解説「前嶋信次氏の人と業績」が興味深い。生涯に二度、苦しい不遇の時代があったらしいが、マイナーな学問をこつこつ続けた人は尊敬できる。「迂遠の途を辿り来て」という自伝のタイトルが印象深い。2014/12/01
りょ
1
★★★学校の課題で必要なので読んでみた。千夜一夜物語に載せられた物語を読みたいと思ったのだが数作品のあらすじしか書かれておらず、1章はほとんどがその発展過程や訳出についての論考で、少し当てが外れてしまった。最後の項のイスラム教と都市の関連性についての考察は興味深かった。2015/06/14
古村
0
アレキサンダー大王についての記述あり2017/04/28