内容説明
わが国の東洋学の泰斗による中国文明史論。華南・華北文化の歴史的変遷と特徴、人が人を食う悽絶なカニバリズムの風習、纒足・絹・木綿・婚姻・葬式などの社会風俗、紙と印刷術の発明など、漢籍とアラブ文献を駆使した重厚な諸論を収録。宮崎博士の解説を付す。
目次
歴史上より観たる南北支那
支那人間に於ける食人肉の風習
アラブ人の記録に見えたる支那
紙の歴史
カーター氏著『支那に於ける印刷の起源』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
20
「歴史上より観たる南北支那」は本文よりも注が豊富で難解だと思う。他の論文は、そうでもない。しかし、漢文も入り、やはり難解である。書き下し文がないので、素人にはわからない。支那では既婚の男性が既婚の女子と姦通する時は、死刑(106頁)。不倫は死刑ということである。文化ではないぞよ、石田純一さんよ。食人肉の風習って恐ろしいし、悍ましい。タイトルで選ぶと、難解だったので、再読だろうか。支那人はヨーロッパ人と異り、死人の埋葬に重きを置き、生前より準備をなす(229頁)。 2014/07/02