出版社内容情報
「歴史教科書問題」や『敗戦後論』論争に介入しつつ、虚無的ナショナリズムとネオリベの共犯状況に対抗する理路を切り拓いた論考。10年後の今、一層切実な発言となって甦る。解説=岩崎稔
内容説明
「歴史教科書論争」と「歴史主体論争」に介入し、この問題が、グローバリゼーションのなかで世界的に現出している状況の一類型にほかならないことを、鮮やかに示した現状診断。危機に瀕した批判的想像力を活性化させ、歴史を修正し、閉じた「われわれ」を立ち上げる欲望―虚無的ナショナリズムに抗すべく、粘り強くかさねられた思考。その思考と認識がいま、切実度を増して呼びかける。
目次
1 誰が語るのか―著者へのインタヴュー
2 開かれた日本のために(批判的想像力の危機;東アジアにおける歴史をめぐる戦い―「歴史への真摯さ」をめぐる考察;不穏な墓標/「悼み」の政治学と「対抗」記念碑―加藤典洋『敗戦後論』を読む;新たな市場に出荷された古い偏見―オーストラリアに見えてくる石原現象の素性;無害な君主制として天皇制は生き延びられるか―英国君主制との比較から;現代日本における移民と市民権―「コスメティック・マルチカルチャリズム」を克服するために)
3 グローバリゼーションとデモクラシー(平和への準備のために―原理主義と多元主義との衝突;グローバルな記憶・ナショナルな記述;文化・多様性・デモクラシー―「内なる多文化主義」とデモクラシーの新たな可能性)
著者等紹介
モーリス=スズキ,テッサ[モーリススズキ,テッサ][Morris‐Suzuki,Tessa]
1951‐。イギリス生まれ。現在、オーストラリア国立大学教授。専攻、日本経済史、日本思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハチアカデミー
nuno
ハンギ
りり課長
Sakura Uchikoshi