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平凡社ライブラリー
江戸はネットワーク

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  • サイズ 文庫判/ページ数 355p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582766332
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0321

内容説明

江戸の人やモノは重層的に関わり、動き、変化し、時空を超えて伝播してきた。人びとは個々の関係に意図的に関わり、したたかに変化する人間を演じてきたのである。

目次

第1章 人びとで賑わう(連の場;市場の言葉;号を冠して飲む)
第2章 遊女は慈悲に生きる(遊廓の恋;淫の働き;間夫は遊女の命;三味線の音は淫声;藍の美意識)
第3章 連に集う者(江戸のウォホール―山東京伝;精神を形にする編集人―蔦屋重三郎;ナンセンス・シノワズリ;痴れ者の働き―大田南畝;笑い飛ばしてみせようか―平賀源内;放浪者の精神―松尾芭蕉;死に向かう狂気―与謝蕪村)

著者等紹介

田中優子[タナカユウコ]
横浜生まれ。法政大学社会学部教授。専門は日本近世文化。著書に『江戸の想像力』(筑摩書房、1986年、芸術選奨文部大臣新人賞受賞)、『江戸百夢―近世図像学の楽しみ』(朝日新聞社、2000年、芸術選奨文部科学大臣賞、サントリー学芸賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

88
とても興味深かったです。近世という時代背景における人々のネットワークには深いものがあるのだと思いました。大きく、手の届かないような莫大な繋がりよりも、手の届く範囲の絆である「連」のあり方が重要だと説いています。「連」によって仕切る自由さが封建時代ならではであり、現代のコミュニティにも通じるものがあると思いました。2016/08/14

うりぼう

59
「外見よりも内容」などというまやかしは、江戸では通用しない。外見こそが内容、そもそも内容などというものは、浮世に存在しない。この域に達することが自己主張。形而上を無視し、自己の一貫性を否定する。源内から南畝、山東京伝への系譜は、まさにキュレーター。連を仕切るもの自由さは、封建時代というイメージの対極にある。日本の文化の心髄にパロディがあり、強かさがある。あらゆる知性を換骨奪胎し、浮世を透徹した視線でながめ、「馬鹿孤ならず、必ず隣あり」は現代のバラエティブームに通じる。松岡正剛と意気投合する著者は、遊女 2011/04/26

たらら

3
連というあり方を書く第1章もよいが、第3章の連に集う人々の人物篇が素晴らしい。山東京伝から蔦屋重三郎、太田南畝に平賀源内。ナンセンス・シノワズリにも抱腹絶倒。『江戸の想像力』『江戸の音』と併せてこれは名著。2010/06/04

常磐条(ときわとおる)

1
「趣向」は大きくなくていい。「世界」も手が届かないくらいでいい。そういう小さめの人のつながりのありかたを江戸時代には「連」と言った。体温が伝わるくらいの広さ、目が届くくらいの広さに、さまざまな場面や人物が暖簾をくぐるように出入り、去来する。連では皆が手ずからコンテンツをつくっており、その場面も共有しあった。そして方法と内容を分離させることなく、文化を醸成する場として機能した。(解説より抜粋、一部改変)2013/07/27

勝部守

1
連と江戸の出版界のエネルギー2013/05/03

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